JIS X 8341-3とWCAG 2.2の違いとは?企業が知っておくべきアクセシビリティ基準の選び方

JIS X 8341-3とWCAG 2.2の違いとは?企業が知っておくべきアクセシビリティ基準の選び方

「ウェブアクセシビリティ対応を始めたいけれど、JIS規格とWCAGって何が違うの?どちらを基準にすればいい?」
そんな疑問にお答えするため、この記事ではJIS X 8341-3とWCAG 2.2の違いをわかりやすく解説します。

目次

WCAGとJIS規格の違い

WCAGは 世界基準のガイドライン(どんどん新しくなる)
JIS規格は日本の公式基準(WCAGを元に作成、更新はゆっくり)
WCAGとは

WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)は、アメリカのW3Cという団体が作った、世界共通のウェブアクセシビリティガイドラインです。
現在、WCAG 2.2が最新版(2023年10月公開)となっています。

JIS X 8341-3とは

JIS X 8341-3は、WCAGを元に日本の事情に合わせて作られた国内規格です。
現在の最新版は「JIS X 8341-3:2016」で、WCAG 2.0と内容が同じです。

「結局どっちを選べばいいの?」という疑問

この質問、本当によくいただきます。答えはとてもシンプルです。

答え:まずはJIS規格で進めましょう

日本の企業がウェブアクセシビリティ対応をするなら、まずはJIS規格で進めていきましょう。

1. 公的機関はJIS X 8341-3:2016のレベルAA準拠が求められているから

総務省の「みんなの公共サイト運用ガイドライン」では、公的機関のウェブサイトはJIS X 8341-3:2016のレベルAA準拠が求められています。

2. 日本国内での実績が豊富

多くの制作会社や検証会社がJIS規格に対応しており、情報も豊富に揃っています。

3. 法的な根拠が明確

日本の公式規格として位置づけられているため、対応の根拠として説明しやすいです。

4. 現実的な対応が可能

いきなり最新のWCAG 2.2に取り組むより、まずは確実にJIS規格をクリアする方が現実的です。

WCAG 2.2は気にしなくていいの?

「でも、WCAG 2.2の方が新しいし、そっちの方がいいんじゃない?」

そう思われる方もいらっしゃるでしょう。確かにWCAG 2.2には新しい機能がたくさん追加されています。

WCAG 2.2で追加された主な内容
・スマートフォンでの操作をより使いやすくするルール(「タッチターゲットのサイズと間隔」や「ポインターの操作」など)
・認知障害のある方への配慮(「操作の一貫性」や「パスワード認証における認知機能への配慮」など)
・より細かなユーザビリティ向上

これらは確かに重要ですが、まずは基本からが大切になってきます。

家を建てる時、いきなり2階から作り始めることはありませんよね。
ウェブアクセシビリティも同じで、まずはしっかりとした基礎(JIS規格)を作ってから、次のステップ(WCAG 2.2の要素)を考える方が確実です。

将来のことも考えてみましょう

「じゃあ、WCAG 2.2は無視していいの?」というと、そうでもありません。

過去の経緯を見ると、JIS X 8341-3は国際標準の更新に合わせて改正されてきました(2010年にWCAG 2.0ベース、2016年に国際標準との一致規格として改正)。
WCAG 2.2が2023年に勧告されたことを考えると、将来的にはJIS規格も更新される可能性が高いです。

現在はJIS X 8341-3:2016で対応し、将来JIS規格が更新された際は、その時点の新基準で対応

現在はJIS X 8341-3:2016で対応し、JIS規格が更新された際は、その時点の新基準で対応する…
このように段階的に進めることで確実な基準から始めて、将来の変化にも対応できるというわけです。

総務省が伝える「公的機関の責務」

総務省が公表している資料「ウェブアクセシビリティ対応は – 公的機関の責務です」では、ウェブアクセシビリティについて重要なポイントが示されています。

ウェブアクセシビリティは法律に基づく責務

  • 障害者基本法:国及び地方公共団体は、行政の情報化において障害者の利用の便宜を特に配慮しなければならない
  • 障害者差別解消法:ウェブアクセシビリティは「環境の整備」として計画的推進が求められている
  • JIS X 8341-3:ホームページを誰もが利用できるものとするための基準

「障害者差別解消法」が2024年4月に改正され、公的機関だけではなく民間の事業者に対しても「合理的配慮の提供が義務化」されました。

よくある間違った理解

以下のような間違った理解についても指摘されています。

❌「デザインを損なうもの」 → 色や画像、動画などを控える必要はありません。魅力あるデザインとの両立が可能です。
❌「事業者に委ねるだけで十分」 → 原稿を用意する人、ページの作成者、承認者にも求められる対応があります。
❌「問題があってもAA準拠と言える」 → 全てのページの問題解消に取り組み、実態に即した試験結果の公表が必要です。

継続的な取り組みが重要

「研修、検証、改善、試験といった取組を毎年継続し、品質を維持・向上する」ことが求められています。
ウェブアクセシビリティは一度やったら終わりではなく、継続的な改善が重要です。

ウェブアクセシビリティの理解を深めるために、総務省やデジタル庁などが提供している資料が大変参考になります。

「うちのホームページは大丈夫?」まずは現状把握から

今のホームページで問題ないと思っていても、実際にチェックしてみると意外な問題が見つかることが多いんです。

「たぶん大丈夫だと思うけど…」「制作会社に任せているから…」「特に問題は聞いていないし…」という声

多く見つかる問題

画像に説明文(代替テキスト)がついていない

視覚障害のある方が音声読み上げソフトで内容を理解できません

文字の色が薄すぎて読みにくい

JIS X 8341-3の基準に則った読み取りやすい色の組み合わせが必要です

キーボードだけでは操作できない部分がある

手が不自由でマウスを使えない方が、サイトの機能を利用できません

見出しの順序がバラバラ

音声読み上げソフトでページの構造を理解できず、必要な情報を探せません

動画に字幕がついていない

聴覚障害のある方が音声情報を得られません

これらは、実際にチェックしてみないとわからないことばかりです。

ハマ企画ができること:JIS X 8341-3:2016に基づくチェックサービス

ハマ企画が行っているウェブアクセシビリティチェックサービスの内容、改善方法を提案、制作会社との連携、改善後の再チェック、相談など

ハマ企画では、現在の日本標準であるJIS X 8341-3:2016に基づいたアクセシビリティチェックを行っています。

ただ「チェックして終わり」ではありません。
改善方法のご提案や制作会社さんとの連携、改善した後の再チェックなども対応いたします。

わからないことがあればいつでもご相談いただけます。

こんな方にオススメ

「とりあえず現状を知りたい」 まずは簡易チェックから始めることも可能です。
「入札でアクセシビリティ対応が必要になった」 JIS規格準拠の書類作成もサポートします。
「リニューアルのタイミングで対応したい」 設計段階からアドバイスいたします。
「社内にアクセシビリティの知識がない」 基本的なことから丁寧にご説明します。

迷ったらお気軽にご相談ください

ウェブアクセシビリティは「やるかやらないか」ではなく、「いつから始めるか」の問題になってきています。

おすすめのステップ

  1. 現状把握:今のサイトの状態をチェック
  2. 基本対応:JIS規格での問題解決
  3. 継続改善:定期的なメンテナンス
  4. 将来準備:新しい規格への対応

「まず話を聞いてみたい」という方は、お気軽にご相談ください。
対応できるところから一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。

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