「Google Search Consoleに『AIによるアクセス』というレポートが増えていた」。2026年8月頃から気づいたウェブ担当者も多いはずです。ただ、実際に使ってみると、期待したほど詳しい情報が取れないことに戸惑う場面も出てきます。当社が自社サイトで検証した内容をもとに、使い方と限界を整理します。
Google Search Consoleの「AIによるアクセス」は、URL単位の表示回数しか分からず、質問内容までは分からない指標です。(2026年9月14日現在)
AIによるホームページへのアクセスとは何を計測しているのか?
AIによるホームページへのアクセスに関するレポートは、Google Search Console内の「ページのインデックス登録」や「検索パフォーマンス」とは別枠で確認できます。名前の通り、生成AIがサイトの情報を参照した際の回数を、URLごとに集計して表示します。2026年8月頃から順次表示されるようになった、比較的新しい機能です。本記事は、中小企業のSEO実践ガイド|AI時代の集客戦略で触れている集客戦略のうち、分析ツールの使い方に絞って解説します。
当社が自社サイトで確認できる主な項目は、次の3つです。
- URL別のAI表示回数
- 期間ごとの表示回数の推移
- 国・デバイス別の内訳
一方、従来の検索パフォーマンスレポートのように、どんな検索語句(クエリ)で表示されたのかという内訳は、標準の画面には表示されません。「クエリ」タブ自体は存在するものの、ページ単位でどのクエリが紐づいているかまでは追えないというのが、実際に触ってみて分かった制約です。まずはこの前提を押さえておくことが第一歩になります。
このレポートで分かること、分からないこと
このレポートで分かることは、主に2つです。1つは、自社サイトのどのページがAIに参照されやすいかという相対的な順位。もう1つは、期間ごとの表示回数の推移です。当社が177ページを対象に31日間集計したところ、AI表示回数の合計は4,560回にのぼり、404エラーの解説記事やGA4のログイン方法を解説した記事など、特定の技術サポート系ページに表示が集中する傾向が見られました。
ハマ企画の自社ホームページのデータでは、AIに参照されやすいページには明確な偏りがありました。表示回数の上位を占めていたのは、次のようなページです。
・404エラーの直し方を解説した記事:3,267回
・GA4のログイン方法を解説した記事:1,614回
・会社名で検索しても出てこない原因を解説した記事:1,054回
・ホームページが勝手に検索に出る理由を解説した記事:992回
共通しているのは、いずれも「サイト運営中に起きた技術的な困りごと」を扱った記事だという点です。
サービス紹介や事例紹介のページではなく、トラブルシューティング系の記事にAI表示が集中していました。ユーザーが生成AIに対して「これはどういう意味か」「どう直せばいいか」と尋ねる場面が多く、その回答を組み立てる材料として参照されているものと考えられます。
一方で、分からないことも同じくらい重要です。表示につながったクエリ、実際にAIの回答内で引用されたのか単に参照候補として認識されただけなのか、そして表示から実際の来訪につながったのかどうかは、このレポート単体では判断できません。国・デバイス別の内訳は確認できるものの、そこから「なぜこのページが参照されたのか」という理由までは読み取れません。表示回数という一つの数字だけを見て一喜一憂すると、実態を見誤るおそれがあります。
※Google公式の生成 AI パフォーマンス レポート(検索)ではクエリが表示されない理由がかかれていません
なぜURL単位の表示回数だけでは実態を見誤るのか?
なぜURL単位の表示回数だけでは実態を見誤るのか、当社自身のデータで具体的に見てみます。表示回数が最も多かったページは、実際にAIの回答へ引用されているとは限りませんでした。上位5ページを対象に、実際にChatGPT・Google AI Overviews・Perplexityへ質問を投げて確認したところ、15回の確認中、実際の引用が確認できたのはわずか1回にとどまりました。
さらに、実際に使用したクエリの中には、記事の内容とは意味的にかみ合わない自然文が上位に来るケースも見られました。
実際にハマ企画データで確認できたクエリには、次のようなものがありました。
- 「ページが見つかりません とでた 意味を教えて」
- 「GA4 ログイン 方法を教えて」
- 「自動検索はオンになっています とは?」
いずれも話し言葉に近い自然文であり、従来のSEOで想定する「404エラー 直し方」のようなキーワード型の検索語句とは形が異なります。
さらに注目すべきは、これらのクエリが必ずしも記事の内容と正確に一致していない点です。たとえば「自動検索はオンになっています とは?」というクエリで表示されていたのは、ホームページが検索結果に表示される仕組みを解説した記事でした。AIが「関連しそうだ」と判断した範囲は、書き手が想定していた範囲よりも広いということになります。
つまり、表示回数が多いページ=AIに評価されている優良ページ、と単純に判断するのは早計です。表示回数はあくまで「参照候補として認識された回数」であり、実際の引用や来訪につながっているかどうかは、別途手動での確認や、GA4のセッションデータと突き合わせる作業が欠かせません。ただし、この手動での確認には相応の手間がかかります。
実際にどう活用すればいいのか?
では、このレポートを実務でどう活用すればいいのでしょうか。当社では、次の3つの使い方の組み合わせを考えました。
- 表示回数の推移を定点観測し、急な増減があったページを優先的に確認する
- 表示回数上位ページを対象に、実際にAIへ質問を投げて引用状況を手動で確認する
- GA4のセッションデータと突き合わせ、表示が実際の来訪につながっているかを確認する
特に3つ目のGA4との突き合わせは見落とされがちですが、AI経由と判定されたセッション数を並べて見るだけで、表示回数の多さと実際の集客効果が比例していないことが一目で分かります。
ただ、2つ目の手動確認には相応の手間がかかるため、当社では最近手法を変えました。Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートでURLとクエリの一覧を出力し、URLをキーにしてAIによるアクセスのレポートとかけ合わせています。1件ずつ質問を投げなくても、そのページと関連が深い検索語句をある程度推測できるようになりました。
具体的には、次の手順で進めています。
- Google Search Consoleの検索パフォーマンスから、ランディングページと検索語句を含むデータをCSVで書き出す
- AIによるアクセスのレポートから、ページ別の表示回数をCSVで書き出す
- GA4の探索レポートから、ランディングページ別のセッション数・エンゲージメント率・キーイベント数を書き出す(チャネルはOrganic Searchのみに絞る)
- 3つのファイルのURL表記をパス部分だけに揃え、末尾のスラッシュの有無も統一する
- 揃えたURLをキーにして1枚のシートに結合し、各URLについてクリック数の多い上位5件のクエリを並べる

URL表記の統一は地味ですが欠かせない工程です。Google Search Consoleはドメインを含む完全なURL、GA4はパスのみで出力されるため、そのままでは結合できません。実際に作業してみると、この正規化を飛ばしたために一致件数が極端に減る、という失敗が起こりがちです。
このレポート単体を鵜呑みにせず、他のデータと組み合わせて初めて実用的な判断材料になります。
今後、この分析手法はどう変わっていくのか?
この方法にも注意点があります。まず、すべてのURLが3つのデータに揃うわけではありません。GA4に流入実績がないページや、AIによるアクセスに表示履歴がないページは当然データが欠けます。これはエラーではなく「データなし」であり、当社の実測でも、対象URLに対してGA4のデータが一致したのは一部にとどまりました。
また、当社ではAI表示回数を通常の表示回数と合算し、そのうちAI表示が占める割合を「AI表示シェア」として独自に算出しています。ただしこれはGoogleが公式に定義した指標ではなく、社内での比較用に置いた暫定的な計算式である点は補足しておきます。キーイベント数についても、何をキーイベントとして設定しているかによって数値の意味が変わるため、自社の定義を確認したうえで読む必要があります。
この分析手法自体、2026年8月頃にGoogle Search Consoleへ新設されたばかりのものであり、今後仕様が変わっていく可能性は十分にあります。当社が現在採用しているURLとクエリを突き合わせる方法も、あくまで「関連が深いと推測される」検索語句を導き出す手段であり、そのクエリで実際にAIの回答に引用されたと確定できるわけではありません。手動での質問確認と組み合わせて、精度を補っているのが実情です。
生成 AI パフォーマンス レポートには、Google 検索の次の生成 AI 機能のインプレッションが含まれます。
Google 検索の開発に伴い、この機能のリストは随時更新される予定です。Google Discover については、Discover の生成 AI パフォーマンス レポートをご覧ください。
AIによるホームページへのアクセスのQ&A
今、このレポートとどう付き合えばいいのか
AIによるホームページへのアクセスに関するレポートは、まだ発展途上です。URL単位の表示回数という限られた情報だけで一喜一憂せず、Google Search Consoleのクエリデータとの突き合わせや、GA4データとの照合を組み合わせることで、初めて実務で使える判断材料になります。当社自身も、手法を見直し続ける中で「表示は多いのに引用や来訪につながっていない」という実態に気づくことができました。自社サイトのAI表示状況を客観的に確認したい方は、ハマ企画の無料のウェブ解析診断からお気軽にご相談ください。

