企業のコンテンツマーケティング支援において、「記事は増えているのに、問い合わせにつながらない」という課題を感じることはないでしょうか。実際、私たちが運用しているブログでも、一定のアクセスはあり成長もしている、でもサービスページへの遷移や問い合わせにつながりにくいという状況が見られました。
今回は、この現象について、実際のデータと運用の中で感じた違和感をもとに、「なぜ起きているのか」を整理してみます。
現状:導線はあるのに、動かない
まず前提として、サイトの表示回数は順調に伸びている
また基本的な導線設計はすでに行っています。
- 各記事に問合せページへのリンクを設置
- 各記事に関連サービスの詳細ページ(サービスページ)リンクを設置
- 各記事は各サービスごとにカテゴリ分けされており、対応するサービスページへリンクするようにしている
いわゆる「導線がない」という状態ではありません。
- 「問合せ」だけでなく「まずは詳細(サービスページ)」という選択肢も入れている
- 行き先が見当違いにならないように、記事に関連したサービスへのリンクが貼れるようにもしている(記事のカテゴリ分け)
それにもかかわらず、記事からサービスページへの遷移は限定的で、問い合わせにもつながりにくい状況です。
実際のデータ:検索クエリを見ると「とは」系が多い
実際に検索クエリを確認すると、「〇〇とは」「〇〇 意味」「〇〇 やり方」といったキーワードが多く見られました。
これらのクエリから流入しているユーザーは、
- まず知識を得たい
- 仕組みを理解したい
- 用語を把握したい
といった“学習段階”のユーザーである可能性が高いとも考えられます。もしくは、お金を払ってサービスを利用するのではなく”自分でやりたい人(DIYユーザー)”かもしれません
そのような人々は、そもそもサービスが必要ですらない事が多いと考えられます
- サービスを比較する
- 外注を検討する
- 相談する
こういった、こちらが期待する行動には至りそうにありません。(あくまで「この時点では」です、また詳しくは後述します)
一般的に言われるユーザーの行動「知る・比べる・相談する」
一般的に、ユーザーの行動は以下のような段階を経ると考えられています。
- 知る(情報収集)
- 比べる(検討)
- 相談する(意思決定)
現在のブログ記事は、「知る」フェーズにはしっかり対応できている一方で、「比べる」「相談する」フェーズへの橋渡しが弱い可能性があります。とも言えます。
ですがそもそも、はなから関連知識だけが必要な”学習者”、自分でやりたい”DIYユーザー”に対しては、このフェーズ移行やカスタマージャーニーと言われるようなものを期待するのは難しそうです。
学習者やDIYユーザーが大多数だとしても、その中に一部ターゲットとなりうる存在(経営者・担当者など)がいるとして、彼らに、「こちらが期待するフェーズ移行をしていただく」ことを期待するのがよさそうです
そこも踏まえながら、改めてターゲットとなりうる存在(経営者・担当者など)が、サービスページや問い合わせに到達しない現状の仮説を整理してみました
仮説①:多くのユーザーはまだ検討段階に入っていない
ほとんど繰り返しになりますが、先ほどのクエリ傾向からも分かる通り、多くのユーザーはまだ「知る」段階にいますので、この状態では、いくらサービスページへのリンクがあっても、
- まだ必要性を感じていない
- 自分ごと化できていない
ため、クリックにはつながりにくくなります。いくら表示回数は増えていても、
- 表示回数の成長を支えているユーザーの多くが”学習者”か”DIY”ユーザー
- であれば、おそらく彼らはクライアントの有料サービスを必要としてはいない
- 「表示回数は増えているのに問い合わせに至らない」は至極まっとうな結果
確かにこうしたユーザーは、必ずしもサービス利用を前提としていません。でもそういうユーザーがクライアント企業の名を知り、そういうユーザーが増えればクライアント企業の名が広がる事にもなるのです。
とはいえ、次のステップにも進めたい
ならば、すべてのユーザーを「検討段階」に進めることを目指すのではなく、その中に含まれる“検討可能性のあるユーザー”を浮かび上がらせて先に進めさせることが重要になるのではないでしょうか。
では、その「浮かび上がらせ」をどう行うか?彼らが進められる道があればいいのかもしれません。
そして、現状、彼らが次に読みたい記事が不足しているのかもしれません
仮説②:「比べる」ための情報が不足している
では、学習者や自分で対応したいDIYユーザーの中に居るかもしれない経営者や担当者(顧客になりうる層)が次にほしい情報とはどういうものでしょう。彼らが次の段階に進むには何が必要なのでしょうか。
一つのポイントが、冒頭で触れた「比べるための情報」と言われます。(知る・比べる・相談する)
たとえばコンテンツマーケティングサービスを例にすると以下のような内容です:
- 自社で対応する場合と外注する場合の違い
- それぞれのメリット・デメリット
- どのようなケースで外注が適しているのか
- よくある失敗例
こうした情報は、教科書知識よりも実務寄りで、ユーザーが「自分はどちらを選ぶべきか」を判断する材料になり得ます。
現在の記事が「やり方」や「解説」に留まっている場合、ユーザーは理解はできても、意思決定に必要な情報が足りない状態になっている可能性があり、「実務を聞きたいんだ」という明確な欲求がある人は、上記のような方向の記事を読みたくなるのではないでしょうか。
仮説③:行動する理由が明確でない
また、どんなにCTAを記事内や記事末に配置していたとしても、「〇〇サービスの詳細はこちら」といった短いテキストだけのボタンでは、クリックにはつながりにくいかもしれません。それだけ見ても、ユーザーは
- なぜサービスページを見る必要があるのか
- それが自分に関係のあるものなのか
といった点が明確にならない限り、行動に移らないでしょう。
CTAを単なるリンクではなく、ユーザーに「自分ごと化」を促すための判断材料と捉えるとどうなるでしょう。
ボタン単体ではなく、「どんな人に向けたものなのか」を具体的に示すエリアを設け、それがユーザーに「それ私の事!」と思わせるようなものであれば、自分事にしてもらえそうです
例えば、以下のようにユーザーの状態や状況を言語化することで、「これは自分のことだ」と感じてもらいやすくなるでしょう。よく見る手法ではありますが、実は人が次のステップに進むべきか」を明示する役割があると考えられます。
こんな方に向けたご案内です(例)
忙しくてWeb施策まで手が回らない中小企業の経営者の方
日々の業務に追われ、やるべきと分かっていても着手できていないケース
何から始めればいいか分からず、まずは相談したい担当者の方
情報は調べているものの、自社に合う進め方が見えていない状態
社内でブログ運用をしているが、成果が出ずに悩んでいる方
記事は増えているが、問い合わせや売上に結びついていないケース
外注を検討しているが、費用や進め方に不安がある方
比較検討はしているものの、決めきれずに止まっている状態
短期間で成果を出す必要があり、プロの支援を検討している方
社内対応ではスピードが追いつかないと感じているケース
このように、具体的な状況を提示することで、ユーザーは「自分に当てはまるかどうか」を判断しやすくなります。さらにそういった状態が見てわかる写真画像をつけるのは効果的ですよね。
結果として、単なる「詳細はこちら」というリンクよりも、行動につながる可能性が高まるCTA設計になると考えられます。
まとめ
今回の記事をまとめるとこうなります
- 表示回数がどんなに増えても、その多くはサービスの必要がないユーザーであるという可能性を考える
- それでも大切なのは、その中に少数居るかもしれない潜在顧客が次のステップへ行くための道(記事)
- ここでユーザーの検討段階に応じた情報設計が必須
とにかく、表示回数が増えたからと言って、お問い合わせにつながるわけではない。「そんなのは当たり前だ!」というわけですが、改めて言語化してみました。
何かのお役に立てれば幸いです

