プロが見てきた“もったいない現場”から学ぶ改善のヒント
「問い合わせが全然来ない。ホームページって意味ないんじゃないかとすら思ってます」
こうした声は、決して一人や二人ではありません。多くの企業が、同じ壁にぶつかっているのです。
時間とお金をかけて立派なホームページを作ったのに、なぜか“成果”が見えてこない。
アクセス解析を見ても、数字は伸びず、問い合わせもゼロ。
「作ってよかった」と思えない――そんな状況に、心当たりはありませんか?
その原因は、“デザインが古い”とか“更新頻度が低い”といった表面的なことだけではありません。
本当に見直すべきなのは、集客の“考え方”そのものかもしれません。
この記事では、実際の支援現場で得たノウハウや成功事例をもとに、
なぜホームページで集客できないのか?
そして、**どうすれば“動き出す”サイトに変えられるのか?**を、やさしく、そして実践的に解説していきます。
集客できないホームページの8つの特徴
1. 目的があいまいなまま作られている
ホームページには、「何のために作ったのか?」という明確な目的が必要です。
商品を売るのか?問い合わせをもらうのか?採用につなげたいのか?
この軸がブレていると、訪問者は**“このサイトで何ができるのか”が分からず離脱**してしまいます。
たとえばある製造業のサイトでは、会社紹介・採用・製品カタログ・ブログなど、あらゆる情報を1ページに詰め込んでいました。その結果、導線が散らばってしまい、誰にも刺さらない構成に。
→ まずは「このホームページの一番の目的は何か?」を一言で言えるようにしましょう。
目的に応じて、構成・文章・CTAの位置もすべて変わってきます。
2. ターゲットが設定されていない
ホームページで最もありがちな“設計ミス”の一つが、ターゲットがあいまいなまま作られてしまうことです。
「自社の商品やサービスは、いろんな人に使ってもらいたい」
「ターゲットを絞ると、お客さんが減ってしまいそうで怖い」
そんな気持ちもよくわかります。でも、結果として“誰にも刺さらない”コンテンツになってしまうのです。
ターゲットが違えば、表現も導線も変わる
たとえば、同じ「Web制作サービス」でも、ターゲットによって打ち出し方はまったく異なります。
ターゲット | 関心 | ホームページで伝えるべきこと |
---|---|---|
起業したての個人事業主 | 「費用」「実績」「相談しやすさ」 | 価格感を明記、Q&A形式、無料相談導線 |
社内にIT担当がいない中小企業 | 「何から始めればいいか」「運用サポート」 | 依頼後の流れ、運用支援の具体例 |
大企業のDX担当者 | 「実績」「セキュリティ」「納期」 | 過去事例、技術体制、工程管理の透明性 |
同じ“Web制作”でも、ページの構成や見出し、載せる事例、ボタンの文言すら変わってくるということです。
ターゲット設定は“絞る”ことで“広がる”
ターゲットを絞ることは、“誰かを排除する”行為ではなく、誰かに強く届くメッセージをつくることです。
「あなたにぴったりのサービスです」と言われると、人は興味を持ちます。
その逆で、「誰でも使えますよ」と言われると、逆に響かないのです。
【ワーク】ターゲット像の整理に役立つ3つの問い
誰の、どんな悩みを解決するサービスか?
まず最初に考えたいのは、「このサービスは、どんな人のどんな困りごとを解決できるのか?」という視点です。
たとえばホームページ制作を提供しているとしても、ただ単に「サイトを作る」ことが目的なのか、それとも「集客できるようにしたい」「信頼感を高めたい」「採用を強化したい」といった、もっと具体的なニーズに応えるものなのかで、伝えるべき内容は大きく変わってきます。
対象が「起業したばかりの個人事業主」なのか、「社内にWeb担当者がいない中小企業」なのか、「とにかく費用を抑えたい人」なのかによっても、アプローチ方法はまったく違ってきます。
この問いに答えることは、ホームページ全体の“話しかける相手”を明確にすることにつながります。
これらを紙に書き出すだけでも、ホームページの文章や構成が驚くほど変わります。
その人は、どんな言葉で検索するか?
次に考えるべきは、「そのターゲットとなる人が、どんな検索ワードを使って情報を探しているのか?」という点です。
こちらが使っている専門用語や業界の呼び名は、必ずしもユーザーに伝わるとは限りません。
たとえば、「Web制作会社」ではなく、「ホームページ 作りたい 店舗」や「お店 ホームページ 安く」など、実際にはもっと生活感のある言葉で検索されていることが多いのです。
自社サービスを知らない人が、「悩みを解決するために、どんな言葉をGoogleに打ち込んでいるか?」を想像することで、より適切なキーワード選定ができるようになります。
その人が“今まさに迷っていること”は何か?
そして最後のポイントは、「その人が今、どんなことに不安を感じ、どこで迷っているのか?」を深掘りして考えることです。
たとえば、「どの会社に相談すればいいか分からない」「費用の相場が分からなくて動けない」「専門的な話をされるとついていけるか不安」といった、購入や相談に至る前の“心の引っかかり”をイメージしてみてください。
その迷いに先回りして答えられるコンテンツがあれば、ユーザーに「この会社は自分の気持ちをわかってくれている」と思ってもらえます。
この共感こそが、問い合わせや申し込みといった“行動”への後押しになります。
3. キーワード戦略が甘い
ホームページが検索されない、問い合わせが増えない――
その原因の多くは、「キーワード設計」が間違っていることにあります。
多くの企業がやりがちなミスは、「社名」や「サービス名」など、すでに知っている人しか検索しない言葉に頼ってしまうことです。
ユーザーは“悩み”で検索する
たとえば、ある美容室がホームページを公開したとしましょう。仮にその美容室の名前が「Hair Studio Luce」だったとしても、お客様がインターネットで検索する際に「Hair Studio Luce」と入力してくれるとは限りません。というのも、ユーザーが検索エンジンに打ち込むのは、自分自身の悩みや目的に直結する言葉だからです。
たとえば、「表参道にあるメンズカットが上手な美容室を探している人」は、「表参道 美容室 メンズカット 上手い」といったキーワードで検索するでしょう。
また、「自然な仕上がりの白髪染めが得意な美容室に通いたい」と考えている方は、「白髪染め 自然な仕上がり 美容室 東京」といった具体的なニーズをそのまま言葉にして検索します。
さらに、美容院に対して不安や緊張感を抱いている女性、特に初めてひとりで行こうと考えている方なら、「美容院 苦手 初めて 女性 一人でも安心」といったキーワードを選ぶかもしれません。
このように、見込み客が入力する検索キーワードというのは、お店の名前ではなく、自分自身の不安や希望、解決したい悩みに基づいたものになっているのです。
だからこそ、ホームページで集客を狙うなら、ユーザーの立場に立って「どんな悩みを抱えているか」「それをどんな言葉で検索しそうか」を想像し、そのニーズに応える形で情報を届ける必要があります。
これらのキーワードを見込み、ページタイトル・見出し・本文にしっかり組み込むことが、SEO対策の第一歩です。
検索されるキーワードを“調べる”ことから始まる
感覚だけでキーワードを決めてはいけません。
Google検索の「サジェスト(候補表示)」や「Googleキーワードプランナー」、
あるいは実際の競合が使っているキーワードを調査することで、はじめて適切な戦略が見えてきます。
例)「歯科医院」の場合
想定しがちなキーワード | 実際に検索されているキーワード(例) |
---|---|
○○歯科 | 「歯医者 怖くない」「歯医者 日曜診療 町田」 |
歯科治療 | 「虫歯 自然に治る?」「インプラント 費用 比較」 |
「自社目線」ではなく「ユーザー目線」の言葉を拾うことが何より重要です。
成果が出ないキーワードの例
よくある失敗例をご紹介します。
- 競合が強すぎるビッグワードを狙いすぎている
→ 例:「Web制作」「人材紹介」などは上場企業が上位を占めています。 - ニッチすぎて検索されていないワードを使っている
→ 月間検索数が10以下のキーワードに偏ると、そもそも人の目に触れません。 - キーワードがページの中で使われていない
→ キーワードを狙っていても、タイトルやh2見出し、本文に含まれていなければ意味がありません。
キーワード戦略を見直す3つの質問
- お客様はどんな悩みを抱えて検索しているか?
- どんな言葉でその悩みを表現するか?
- その言葉を、ページのタイトル・見出し・本文に反映できているか?
この3つを自問自答しながら、自社が戦えるキーワード領域を設計することが、集客の第一歩です。

4. コンテンツが薄い、または魅力が伝わっていない
ホームページの文章が“会社目線”ばかりになっていませんか?
「私たちはこんな会社です」「これができます」と並べるだけでは、ユーザーは興味を持ちません。
ユーザーが求めているのは、「自分にとって役立つ情報」や「問題を解決できそうな気づき」です。
例えば:
- NG例:「弊社は創業20年のIT企業です」
- OK例:「中小企業の“困った”をITで解決。業務効率化や売上アップのご相談を多数解決しています」
また、「料金」「納期」「対応エリア」など、ユーザーが真っ先に知りたい情報が曖昧だったり載っていないケースも少なくありません。
→ ページを1つ開いた時、「これ、私のためのサイトだ」と思ってもらえるコンテンツがあるか、確認しましょう。
5. デザイン重視でユーザー目線がない
ホームページの見た目が洗練されていて、デザイン的に優れていたとしても、使いづらければそれだけでユーザーは離脱してしまいます。
実際には「見た瞬間の印象」よりも、「直感的に操作できるかどうか」がサイトの成果に大きく関わってくるのです。
たとえば、スマートフォンで開いた際に、文字サイズが小さすぎて読みにくかったり、メニュー表示がアイコンのみで分かりにくかったりすると、ユーザーは戸惑います。
また、よくあるのが「問い合わせしたいのに、ボタンがどこにあるのか分からない」「どのページに何の情報があるのか見つけられない」といったケースです。
どんなにビジュアルが美しくても、こうした基本的な操作性が損なわれていれば、「わかりにくい」「使いにくい」という印象を与えてしまい、信頼獲得どころかマイナスの印象を残してしまいかねません。
だからこそ、特にスマートフォンでの閲覧・操作を想定した設計は非常に重要です。
目安としては、「ユーザーがスマホでサイトを開いたとき、3秒以内に目的の情報にたどり着けるか?」という視点で導線やレイアウトを見直してみてください。
見た目の良さと使いやすさ――その両方がそろってはじめて、“成果につながるホームページ”と言えるのです。
6. SEOの基本が押さえられていない
見出し(h1やh2)が適切に使われていない、メタディスクリプションが未設定、alt属性が空白の画像だらけ――
こういった“基本的なSEOミス”が検索結果の表示順位を大きく下げてしまいます。
Googleは「検索ユーザーにとって価値のある情報かどうか」を判断するために、こうしたタグや構造を見ています。
→ サイト構造を見直し、1ページ1キーワード戦略で、適切にタイトル・見出し・メタ情報を設計しましょう。
ツールとしては「Yoast SEO」「Google Search Console」の活用が効果的です。

7. 更新・改善が止まっている
「ブログが1年以上更新されていない」
「お知らせが“2021年の夏季休業”のまま」
こうした“放置サイト”に、ユーザーは安心感を持ちません。
また、Googleも更新されていないサイトを評価しづらくなります。
→ 毎月でなくても構いません。季節のキャンペーン情報や最近の事例紹介など、最低でも2〜3ヶ月に1回の更新を習慣にしましょう。
8. アクセス解析や改善PDCAが回っていない
Googleアナリティクスやサーチコンソールを導入していても、それだけでは意味がありません。
よくあるのが、「設定はしたけれど、数字はほとんど見ていない」「そもそもどこを見ればいいのか分からない」といった状態。
このような状態では、ホームページをどう改善すればよいのかが判断できず、時間ばかりが過ぎてしまいます。
本来、アクセス解析は“専門家だけが扱うもの”ではありません。
自社のホームページをよりよくするために、最低限押さえておきたい視点が3つあります。
ひとつ目は、「ユーザーがどこから来ているのか?」という流入元の確認です。
SNS、検索エンジン、他サイトからのリンクなど、ユーザーがサイトにたどり着く入口を把握することで、効果的な集客チャネルが見えてきます。
二つ目は、「どのページでユーザーが離れているのか?」です。
特定のページで直帰率が高かったり、滞在時間が極端に短かったりする場合は、そのページに問題がある可能性が高いと考えられます。
そして三つ目は、「ユーザーがどんなキーワードでサイトを訪れているのか?」です。
Googleサーチコンソールを使えば、実際に検索された語句や表示順位、クリック率などを把握できます。
それによって、「自分たちが狙いたいキーワードで、ちゃんと検索に引っかかっているのか」が確認できるのです。
こうした分析を“思いついたときにたまに見る”程度ではなく、毎月の習慣として定着させることが、集客改善を継続的に進める鍵になります。
最初は「直帰率が高いページ」や「滞在時間が極端に短いページ」など、目立つポイントから見直すだけでも効果があります。
一度にすべてを把握する必要はありません。小さな改善の積み重ねが、大きな成果につながっていくのです。
このように、集客できないホームページには共通する“構造的な問題”があります。
そしてそれらは、少しの見直しと継続的な改善で大きく変わっていきます。

よくある相談から見える、集客に失敗するホームページの傾向
ハマ企画にはこれまで、さまざまな中小企業の方からホームページに関する相談が寄せられてきました。 その中で特に多かった“ありがちな悩み”をいくつか紹介します。
● 知り合いに頼んでホームページを作ったが、何を直せばいいか分からない ● 会社名でしか検索に出ない ● SEO対策として毎日ブログを書けと言われた ● 問い合わせフォームが使いづらく、自分でも送れなかった
→ これらの悩みは決して特別なケースではなく、多くの企業に当てはまる“あるある”です。 ちょっとした改善で大きく変わることも少なくありません。
ホームページ集客 改善チェックリスト
チェック項目 | 状況確認 | 改善のヒント |
---|---|---|
ホームページの目的が明確か? | ✓ / × | 問い合わせ、購入、資料請求など主目的を明記 |
ターゲットが具体化されているか? | ✓ / × | ペルソナを明確にして構成や文言に反映 |
悩みに応える情報があるか? | ✓ / × | 導入事例、Q&A、料金表などを充実させる |
適切なキーワードで設計されているか? | ✓ / × | 検索意図に合った言葉でページを構成 |
SEOの基本が押さえられているか? | ✓ / × | title、hタグ、alt、meta を確認 |
スマホでも使いやすいか? | ✓ / × | スマホでの見やすさ、導線をテスト |
問い合わせ導線が明確か? | ✓ / × | ボタンやフォームをわかりやすく配置 |
定期更新・改善ができているか? | ✓ / × | 月1回以上の更新・改善をルーチン化 |
アクセス解析を活かせているか? | ✓ / × | GA4やGSCで数値をもとに判断 |
まとめ|“作って終わり”から“育てるホームページ”へ
「問い合わせがまったく来ない」と悩むホームページには、共通する改善ポイントがあります。 デザインの良し悪しではなく、「誰に、何を、どう届けるか」の設計がカギです。
今回紹介したチェックポイントに一つでも当てはまるなら、改善の余地は大いにあります。 ホームページは作って終わりではなく、更新・分析・改善を繰り返して“育てていく”もの。 最初から完璧でなくても、ひとつひとつ改善していけば、確実に成果は見えてきます。
ホームページの集客、ひとりで悩まないでください
ハマ企画では、ただの制作ではなく、“成果につながる運用の伴走支援”を行っています。
「うちのサイト、まず何を見直せばいい?」 「改善したいけど社内に時間も知識もない」
そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。 最初のご相談・診断は無料です。