Bingのデータを見て気づいた「思い込み」
SEOといえばGoogle。
Search Consoleを開いて、表示回数やクリック率、検索クエリを確認する。
多くの中小企業で、こうした運用が日常になっていると思います。
私たちも同じでしたし、これは決して間違いではないのでしょう。
Googleは主要な検索エンジンですし、SEOを考える上で中心に据えるべき存在であることに変わりはありません。
ただ、あるクライアントサイトの分析をしていたとき、その「前提」(=思い込み)を少しだけ疑うきっかけになる出来事がありました。
GoogleとBingのデータを並べて見て、立ち止まった
コンテンツマーケティングの支援を行っているクライアントサイトで、GoogleだけでなくBingの検索データもあわせて確認してみたところ、少し意外な結果が出ました。
- 表示回数は、GoogleとBingで大きな差がない
- ところが、クリック率(CTR)はBingの方が明らかに高い
ちなみにその月のCTRはBingで3倍高かったのです。あらためてGA4で流入数を確認してみても、やはりBingからのオーガニック流入数が、Googleのそれに比べて3倍高いという数字が出ていました…
これまで「SEO=Google」という前提で見ていたため、Bingの数字をきちんと確認していなかったこともあり、正直なところ、「ちょっと驚き」というのが率直な感想です。

これは「Bingを重視すべき」という話ではありません
ここで誤解されないようにしたいのですが、今回の話は「これからはBingに力を入れましょう」という提案ではありません。

- Googleが重要でなくなった、という話でもありません
- SEOの方針を切り替えるべきだ、という話でもありません
今回お伝えしたいのは、もっとシンプルなことです。
同じコンテンツでも、
見るフィールドが変わると、評価のされ方が変わることがある
その事実に、あらためて気づいた、という話です。
なぜBingでは、相対的に選ばれやすかったのか(仮説)
一つの仮説として考えたのが、検索結果における「競合の出方」の違いです。
特にコンテンツマーケティングに取り組む企業が多い業種では、Googleの検索結果はすでにかなり成熟しています。
- 大手メディアや専門ポータルが上位に並ぶ
- タイトルや見出しも洗練されている
- 一定水準以上のコンテンツが当たり前に並ぶ
その中では、内容が極端に悪いわけではなくても、比較の中で埋もれてしまうということが起きがちです。
一方でBingの検索結果を見てみると、必ずしも同じ顔ぶれが並んでいるわけではない。もしかしたらページ単位の内容が、より素直に評価されているように感じられました。
その結果として、
「検索意図にきちんと答えているページ」が
相対的に目に留まりやすくなり、
クリック率の差として表れた可能性があります。
一つの仮説として考えたのが、検索結果における「競合の出方」の違いです。
それはGoogleとBingでは検索結果に対する考え方そのものが少し違っていて、それによりGoogle検索では埋もれてしまったものがBingでは埋もれずに済んだのでは?という考えです。
Googleは、検索エンジンとして「できるだけ間違いのない検索結果を出す」 ことを非常に重視しています。
そのため、個々のページの内容だけでなく、
- ドメイン全体の信頼性や実績
- その分野で継続的に情報を発信しているか
- 専門性・経験・権威性・信頼性(いわゆるE-E-A-T)
- 被リンクやブランドとしての評価
といった、サイト全体の背景情報も含めて総合的に判断されます。
この仕組み自体はとても合理的で、検索ユーザーにとっても安心できる結果につながっています。
一方で、コンテンツマーケティングに取り組む企業が多い業種では、この「安全側に倒す評価」が、別の形で影響することがあります。
たとえば、
- 内容としては検索意図に合っている
- 情報も正確で、丁寧に書いている
それでも、
- 大手メディア
- 専門ポータル
- ドメイン評価の高いサイト
が同じキーワードで並んでいると、相対的に目立ちにくくなってしまうという状況です。
Googleでは、「この分野なら、まずここを出しておけば大きく外さない」という判断が働きやすいのかもしれません。またコンテンツマーケティングを行う競合はまずGoogle検索向けの対策をする事でしょう。
それで検索結果全体が非常に“完成された状態”になりやすいとも言えます。
- 大手メディアや専門ポータルが上位に並ぶ
- タイトルや見出しも洗練されている
- 一定水準以上のコンテンツが当たり前に並ぶ
一方で、Bingの検索結果を見てみると、必ずしも同じ評価軸で並んでいるのではないのかもしれません。
例えば、
- ドメインの強さよりも
- ページ単位で
- 何について書かれているか
- 検索意図にどれだけ正面から答えているか
といった要素が、比較的そのまま結果に反映されているかもしれないです。
であれば、
- Googleでは「総合力の勝負」で埋もれていたページが
- Bingでは「内容そのもの」で比較された結果、相対的に選ばれやすくなる
ということが起きても、不思議ではありません。
今回のケースでも、コンテンツの内容が急に良くなったわけではなく、評価されるフィールドが変わったことで、見え方が変わったと考えるのが自然だと感じました。
競合が多い業種ほど、この差は起きやすい
こうした現象は、特殊なケースではありません。たとえば、
- 士業や専門サービス
- BtoB向けの業務支援・制作・コンサル
- 地域密着型の中小企業向けサービス
など、多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組んでいる業種では、Googleの検索結果が非常に競争的になっています。その中で、
- Googleだけを見て判断すると「反応がない」「成果が出ていない」と見えてしまう
- しかし別のフィールドではしっかり選ばれている
というケースがあっても、不思議ではありません。
「フィールドを広げる」という考え方
ここで言う「フィールドを広げる」とは、施策を増やすことではありません。
検索エンジンを増やして対策する、という話でもありません。
コンテンツの良し悪しを判断する材料を、
一つ増やす
それだけのことです。
Googleでは見えなかった反応が、Bingのデータを見ることで見えてくる。
それは、
- 方向性は間違っていない
- 説明の仕方は合っている
- 一定のニーズは確実に存在している
というサインかもしれません。
中小企業Web担当者にとっての現実的な意味
中小企業のWeb運用では、以下のような状況がよくあるのではないでしょうか
- すべての記事を頻繁に改善できない
- 判断できる材料が限られている
- 成果が出ない記事を「失敗」と判断しがち
その中で、Googleだけでなく、別のフィールドの反応も見ることで、
- 判断が一面的になりにくい
- リライトや撤退の判断を誤りにくくなる
- 限られたリソースを守れる
という、実務的なメリットがあります。施策をしなくて良いわけではないですが、判断フィールドは意外と一つではない、という事、そのフィールドを知らないでいるのはもったいない、という事です。
まとめ:Googleだけを見て、判断しすぎていなかったか
Googleを見ることは、これからも重要で、それは変わりません。ただ今回の経験を通して感じたのは、
Googleだけを基準に判断していたことで、
本来評価できたはずの反応を
見逃していたかもしれない
ということでした。
Bingを重視すべき、という話ではありません。ただ、判断の視野を少し広げることで、コンテンツとの向き合い方が変わることもある。
SEOは「正解を当てる作業」ではなく、判断の精度を少しずつ上げていく作業なのだと、あらためて感じた出来事でした。

