マイクロコンバージョン(mcv)はもう必要ない?広告最適化の落とし穴とその対処法

Google広告における「mcv(マイクロコンバージョン)」の扱いについて、必要という声もあれば、必要ないという声もありますね。かつては、CV(コンバージョン)が十分に取れないキャンペーンでも、mcvを活用すれば機械学習が働きやすくなると言われ、導入が推奨されていました。しかし最近は、「mcvばかり増えて、肝心のCVがまったく出なくなった」という運用者の声も少なくありません。
今回は「mcv(マイクロコンバージョン)」についてと導入すべきかについてお話ししていきます。

目次

そもそもmcvって何?

mcv(マイクロコンバージョン)とは、ユーザーが最終的な成果であるCVに至る前に行うアクションのことを指します。
たとえば、

  • LPのページを8割の到達で設定をする
  • 問い合わせフォームが別にある場合、問い合わせボタンをクリックする

こういった行動に設定するのがmcvになります。

なぜ導入されてきたのか

mcv(マイクロコンバージョン)が活用されるようになった背景には、広告運用における「学習データの不足」という課題がありました。特に、BtoB商材や不動産、高級ジュエリーといった高単価商品のように、コンバージョン(CV)が出にくいケースでは、最適化が進みにくいという運用上の悩みが生じやすかったのです。
こうした課題に対し、「CVに至る前段階の行動を記録し、機械学習に活用する」という考え方から、mcvを設定する手法が広まりました。

また、mcvは単なる広告最適化だけでなく、ユーザー行動の可視化にも役立ちます。たとえば「どこまでスクロールされたのか」「どのボタンが押されたのか」といった行動データは、導線改善やページ内容の見直しにおいても重要な指標となります。

なぜ広告はmcvを優先して最適化してしまうのか?

なぜ広告はmcvを成果と勘違いして、そこばかりに最適化されてしまうのでしょうか?
その理由は、Google広告の機械学習の仕組みにあります
Google の入札アルゴリズムによる学習の仕組み

Googleの自動入札は、広告主が設定した「コンバージョンアクション」を成果として認識し、その行動を起こしそうなユーザーに対して、広告配信を最適化していきます。
たとえば、mcvとして「ボタンのクリック」や「ページのスクロール」を設定し、それを最適化の対象としてオンにしていると、Googleはそれを「ゴール」だと判断します。
つまり、広告が狙いにいくのは「問い合わせしてくれる人」ではなく、「ボタンをクリックしてくれる人」や「最後までスクロールしてくれる人」になってしまうのです。
さらに、mcvはCVに比べて数が多く発生しやすいという特徴があります。
そのため、学習スピードも速く、「反応が良さそうに見える」mcvに対して、より積極的に最適化が進んでしまうというわけです。
このように、意図せずして広告が「CVに至らないユーザー」ばかりを集めるようになってしまうのは、mcvを成果として登録し、そのまま最適化対象にしてしまっていることが原因です。

mcvに最適化してしまうと…

mcvを最適化の対象として使い続けると、意図せぬ落とし穴にハマってしまうことがあります。実際に運用現場でよく見られるのが、「mcvは取れるが、CVがまったく増えない」という状態です。
これは、Google広告の機械学習が「成果」と認識している指標がmcvだからです。広告は、CVではなくmcvを取ってくれるユーザーに最適化されてしまい、その結果、「ページをスクロールして終わる人」「なんとなくクリックするだけの人」ばかりに配信されるようになります。表面的には数値が伸びているように見えるものの、実際のビジネス成果にはつながらない状態です。
さらに厄介なのは、この状況を放置してしまうと、学習が完全にmcvベースになり、広告配信そのものがCVから遠ざかってしまうということです。本来は商品購入や問い合わせを増やすための広告なのに、「ページスクロールする人を集める広告」になってしまっては、本末転倒です。

mcvに最適化してしまった広告をどうすればいいのか?

すでにmcvに最適化してしまったキャンペーンを元に戻すには、Google広告のコンバージョン設定を見直して、mcvを「最適化に使用」しないようにすることです。
これによって、広告はCVだけを成果として学習するようになり、本来の目的に近づいていきます。
ただし、これには前提として「CVがある程度の件数取れていること」が必要です。
CVが少なすぎる場合は、最適化がうまく働かず、広告効果が不安定になる可能性があります。
そのような場合には、思い切って新しいキャンペーンを立て直すという選択肢もあります。mcvに依存してしまったキャンペーンは、過去の学習データがそのまま引き継がれているため、いきなり設定だけを変えても意図通りの挙動をしてくれないことがあるからです。CVに特化した構成で新しいキャンペーンを作成し、旧キャンペーンと並行運用していくことで、より効果的な最適化が期待できます。
なお、mcv自体を完全に削除する必要はありません。そのまま残しておけば、ユーザー行動の分析には活用できます。あくまで「最適化の対象」としてmcvを使わない、というのがポイントです。

mcvの使い方を間違えると、広告の本質を見失う

mcvは、もともと「CVが不足している状況を補うため」に導入されたものであり、当時のGoogle広告では非常に合理的なアプローチでした。しかし、今では機械学習の精度が大幅に上がっており、CVがある程度取れていれば、わざわざmcvを使わなくても最適化は進みます。
むしろ、mcvを最適化の中心に据えてしまうと、広告配信のターゲットがずれてしまい、本来の成果から遠ざかってしまうリスクが高まります。数字だけを見ると「広告はうまくいっている」と思い込みがちですが、その先にある“ビジネス成果”につながっていない場合は、一度立ち止まって見直す必要があります。
とはいえ、mcvがまったく不要になったわけではありません。ユーザー行動の分析や導線改善には今も役立ちます。重要なのは、「最適化に使うのか」「分析に使うのか」という目的の明確な使い分けです。
広告運用がある程度進んできた方にとって、mcvの扱い方を見直すことは、次の成果への大きな一歩になるはずです。

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