古いWordPress、放置していませんか?「ホームページはずいぶん前に作ってて、投稿はしているけど、他のメンテナンスは特にしていない」——そんな中小企業や個人事業の方、多いのではないでしょうか?
今回ご紹介するのは、かなり古いバージョンのWordPressを、最新の6.7まで無事アップグレードした、弊社ハマ企画のサポート事例です。
WordPress 4.7 → 6.7へのアップグレード(さくらのレンタルサーバー)
古いままにしておくと、セキュリティ上のリスクが高まり、プラグインが動かなくなったり、サイトが表示されなくなる可能性も…。この記事では、アップグレードの流れ、発生した問題と対応、そして安全に使い続けるためのポイントまで、実際の事例をもとにご紹介します。
バージョン状況
まず状況ですが、ワードプレスやPHPのバージョン、サーバーは以下の通りです。
サイトは作成後10年ほど経っていたようです。
- データベース:
更新前:MySQL 5.5→更新後:MySQL 8.4.0 - PHP:
更新前:5.2.17 (CGI)→更新後:8.3.8 (モジュールモード) - WP(ワードプレス):
更新前:4.7.29→更新後:6.7.2 - 使用サーバー:さくらインターネット(スタンダードプラン)
アップグレードのステップ
ワードプレスファイルとデータベースのバックアップ後、DB→PHP→WPの順番でアップグレードを行いました。(PHPとWPは相互性を見ながら、段階的に)
バックアップ取得
WordプレスのファイルはFTPで、データベースはサーバーのMy SQLからエクスポートして取得します。WordPressのアップグレードで万が一の不具合に備えます。
データベース(MySQL)のアップグレード
ここはサーバーによって変わります。(ロリポップやXサーバーでは、新規のデータベースを作成して移行するようです。)さくらでは現在使用しているデータベースを複製します。ただ、複製は自分でやるのではなく、サーバー上で時間を指定して「予約」をします。すると、指定した時間に古いデータベースが、バージョンアップした形で複製されています。

このままではコピーができただけなので、wp-config.phpで、DBの紐づけを行います。
この後はPHPとワードプレスを、交互にバージョンアップしていきます。
PHPとWPバージョンアップを行う
あとはPHPとワードプレスのアップグレードなのですが、これがまた一足とびにはいきません。なぜならワードプレスとPHPにはバージョンごとの互換性があります。PHP5.5で動いているワードプレス4.7を、一度に6.7に引き上げると、PHPが対応していないため「画面真っ白」になってしまいます…

今回は、下のようにちまちまと段階を経てアップグレードさせていきました。
- PHPを7.4へ
- WPを4.7→5.8へ
- WPを5.8→6.0へ
- PHPを7.4→8.0へ
- WPを6.0へ、6.2へ
- PHPを8.0→8.1へ
- PHPを8.1→8.3へ
- WPを6.0へ、6.4へ
ちなみにWPのバージョンアップの際は、基本的にWP公式サイトから目当てのバージョンをダウンロードします。例えば今回は最初に「ワードプレス5.8」をダウンロードしたわけです。
*WPバージョンアップの手順は、これと一緒!(ダウングレードの方法):

ダウンロード後は解凍したのち、以下のファイル/フォルダを削除します。「wp-config.php」「htacces.php」というのは、もしあれば削除するそうですが、今回はお目にかかりませんでしたので、「wp-contentフォルダ」の削除だけでした。
- wp-contentフォルダ
- wp-config.php(あれば。まずない)
- htacces.php(あれば。まずない)
上記ファイル/フォルダを削除したWPを、FTPソフトを使用してサーバーへアップします。その時、古いワードプレスの既存フォルダへ上書きをする形になります。
事前準備として、以下の事は行っておきましょう。
【事前準備】
- 下準備として、プラグインは全て非アクティブにすること
- 作業中はサイトの表示ができなくなるので、お客様にはお断りしておく
実は今回、途中プラグインをアクティブにして確認などしていたのですが、その次のアップグレードで非アクティブにするのを忘れてバージョンアップし、画面が白くなりました…。その時はサーバーからPHPのバージョンを元に戻して対応しました。
ちなみに、このような作業で使いたいテスト環境。さくらサーバーに用意されているものがあるのですが(snap up)、今回の作業には不向きだったため、使用していません。
- PHP7以上しかそもそも使えない
- フォルダごとアップロードすることができない
PHPが古いと使えないのでした…。またアップグレードには膨大なワードプレスファイルをフォルダごとアップロードするため、使えない、と判断しました。
ワードプレスアップグレードの意味は?なぜやるべき?
WordPressのアップグレードは、単なるデザインの更新や新機能の追加だけではありません。
特にバージョン4.7のように数年以上も前のものを使用し続けると、深刻なセキュリティ上のリスクを抱えることになります。脆弱性が放置された状態では、悪意ある第三者からの攻撃を受ける可能性が高まり、サイト改ざんや情報漏洩など、企業として重大な信用問題にも…。
また、WordPress本体だけでなく、利用しているプラグインやテーマも最新のバージョンに対応していないと、正常に動作しなかったり、最悪の場合サイトが表示されない事態に陥ることもあります。
さらに、現在のPHP環境との互換性も重要です。古いPHPバージョンを使い続けると、WordPress自体の動作に支障が出るだけでなく、サーバー側のサポートも打ち切られるリスクがあります。
アップグレードは、こうしたリスクを解消し、安定して運用するための「予防保守」です。安心してホームページを活用し続けるためには、定期的なアップデートと、専門家による点検が望まれます。
定期的なアップグレードであれば、作業はもっと簡単で安心なものとなります。
まとめ
WordPressのアップグレードは、技術的な壁やサーバー環境の違いから、専門的な対応が必要な場合があります。 弊社では、さくらサーバーを含む多くのレンタルサーバーに対応した経験があり、お客様に合わせた最適なサポートをご提供しています。
「ちょっと古いかも…」「更新したいけど自分でやるのは何だか怖いな…」と思ったら、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。