ウェブ解析におけるインプレッションとは

ウェブ解析におけるインプレッションとは

「初めて学ぶウェブ解析」第21回です。
第18回~第20回では、3つのコンバージョン設計モデルごとの戦略を解説しました。
ウェブ解析でインプレッションが大切なのは、事業成果を上げるためにウェブサイトをユーザーへ認知してもらい、訪問してもらうことです。
今回は、コンバージョン設計ごとに戦略を立てた後の「インプレッション=露出効果の測定」について解説します!

インプレッションとは

インプレッションとは、ウェブサイト上で表示された回数を表す指標。
インプレッション数のカウント方法は、ウェブサイト上で1回表示されると1インプレッションとなります。

広告のインプレッション

広告のインプレッションとは、広告がユーザーへどれだけ目に留まったかという、露出効果を測定することです。
別名で「表示回数」とも言います。
表示された広告が「どんな広告なのか」をユーザに理解してもらい、広告をクリックした先にあるコンテンツを閲覧してもらわないと意味がないのです。
広告をユーザー訴求するため、私たちは適切な媒体へ掲載することを考えます。
検索連動型広告の場合、キーワードの検索結果に広告が表示されます。
広告キーワードは検索結果上位の方がユーザーの目に留まるため、クリックされやすくなるのです。
しかし自らの意思で、自由にキーワード上位で広告を表示したくても、ウェブサイトへ掲載することはできません。
詳細は他でお伝えしますが、Googleの理念「Google10の事実」内の「6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる」にもとづいています。
引用:「検索結果ページには、その内容と関連性のない広告の掲載は認めません。
Googleは、広告というものはユーザーが必要としている情報と関連性がある場合にのみ役立つと考えています。
そのため、検索結果ページに広告がまったく表示されない場合もあります。」
ここでの検索連動型広告の記載について、インプレッションで料金が発生する広告もあります。広告の種類については、また別のコンテンツで解説します。
広告の露出効果測定には、2つの方法があります。

  1. リクエストベース(サーバーログ型)
    アドサーバーへの「リクエスト回数=インプレッション数」としてカウントする方法。
    多くのアドサーバーで採用されています。
  2. OTSベース(ウェブビーコン型)
    アドサーバーは「ビーコンのリクエスト回数=インプレッション数」としてカウントする方法。
    「よりユーザーの視聴に近いところでカウントする」という考え方です。
    具体例には、ビーコンカウントがあります。

広告のビューアビリティ

ビューアブルインプレッションは、「広告の50%以上の面積が画面に1秒以上露出するインプレッション」という定義があります。
広告成果の有無として、売上への貢献を知るためにはパラメーターやコンバージョンの設定を行い、ユーザーが実際に広告を閲覧して行動を起こすレスポンス効果の測定をする必要があります。
パラメーターとは、どの広告をクリックしたか分かるようにすること。
スーパーマーケットで例えると、
パラメーターをつけた広告媒体がチラシ、コンバージョンがレジ会計と考え、お客様(ユーザー)は、チラシをチェックして来店します。
(*チラシはパラメーターのついた媒体、閲覧はインプレッションです。)
そしてレジ会計を商品が通過すると、売上となるからです。
コンバージョンを設定しないと、CPMやCPCの測定はできても、売上への貢献がわからないままになってしまいます。

広告指標について

クリックとは、表示(インプレッション)された広告をクリックすること。
表示に対するクリックの割合をクリック率(CTR)と言います。
クリック単価とは、表示されたクリック単価(CPC)のこと。
クリック単価は、基本的に入札制度で決定します。(詳細は後ほど記載します)
コンバージョンとは、広告の成果測定のこと。
クリックに対するコンバージョンの割合をコンバージョン率(CVR)と言います。
CPMとは、広告が1,000回表示されるたびに課金されるインプレッション単価のこと。

クリック単価について

クリック単価(CPC=Cost Per Click)とは、リスティング広告で1クリックされたときの単価。
ユーザーがクリックすればするほど、クリック単価はどんどん下がるのです。
ユーザーが検索して、クリックするごとに課金されます。
クリック単価は、以下の計算式で算出できます。
例)200,000円で広告を掲載/1,000インプレッション
200,000÷1,000=200円
1クリックあたりの広告費は200円になります。
できるだけ広告費を抑えれば、粗利益率も高くなるので売上に貢献できます。
リスティング広告とは、検索結果ページに連動して表示される広告のこと。
ユーザーが検索している内容と関連の高い広告が表示されるため、閲覧してもらえる可能性は十分あるのです。

検索エンジンのインプレッション

検索エンジンは、ユーザーが自社のウェブサイトを訪問してもらうために、検索ワードで上位表示される必要があります。
自社のウェブサイトへ直接つながるような検索ワードでのインプレッション数は、検索エンジンのクローラー管理ツールで測定。
Googleの場合は、「Google Search Console」で測定できます。
クローラー管理ツールは本来、ウェブサイト上の内容が検索エンジンに知らされることで、クローラーを管理するツールです。
そのため、正確なウェブサイトのトラフィックを測定するツールではないのです。

メールのインプレッション

メールの露出効果測定には、配信数に対する開封数(開封率)という指標があります。
Googleアナリティクスで計測する場合、メールにウェブサイトのURLを記載するときにパラメーターを加えることで、ウェブサイトの参照元はメールであることが分かるのです。
その測定方法が、次のような仕組みです。

  1. メールに測定用のパラメーターが加わったURLを貼り付けて送信
  2. ユーザーがメールを開封したときにメーラーが画像を読み込む
  3. ソースによってユーザーが開封したことをサーバーへ知らせる

ただしHTMLメールでは、バナー画像に組み込めるため、パラメーターを意識せずにURLを掲載できます。
一方でテキスト形式のメールは、パラメーターが加わった長いURLとなります。

ソーシャルメディアでインプレッション

ソーシャルメディアの露出効果は、各サービスごとのアカウント管理画面上から測定できます。
リファラーの仕組みを作成することで、参照元のチャネル「検索エンジン/メール/ソーシャルメディア」が分かるのです。
しかしソーシャルメディアのサービスによっては、アプリを経由でウェブサイトを訪問すると参照元のリファラーが無効となる場合があるため、注意する必要があります。

インプレッションが大切な理由

インプレッションで大切なことは、ユーザーに認知してもらうことです。
ユーザーには潜在層や顕在層などがあり、必ずしも商品を即時購入するとは限りません。
各ユーザーの購入するタイミングがあります。
そのため、ユーザーに認知してもらうことは、事業成果を上げるためのきっかけ作りとなるのです。
インプレッションを正しく理解し、解析に用いれば事業成果も上がるはずです。