アクセス解析を実践するために

アクセス解析を実践するために

毎日投稿している「初めて学ぶウェブ解析」第16回です。
前回の第15回では、アクセス解析を始めるための基本を解説しました。
アクセス解析を実践するには、より自社の事業内容に当てはまるデータ取得をするための仕組みや知識を理解する必要があります。
アクセス解析で「事業成果」を上げるためには、ファネルの考え方を知っておくことも大切です。
そこで今回は、より詳しく「アクセス解析の実践編」について学んでいきましょう!

アクセス解析で必要なこと

マルチデバイス解析

同一ユーザーがPCやスマホなどの複数デバイス(端末)を利用しても、通常のアクセス解析はCookieでユーザーが認識されるため、デバイスごとでそれぞれ異なるユーザーとして認識されてしまいます。
そうなるとアクセスの正確なデータを把握することは、困難になります。
マルチデバイス解析は、ユーザーのログイン時に入力するユーザーIDをCookieに保存し、ウェブ解析ツール内でデータ統合をすることが可能になるのです。
マルチデバイス解析をするには、ユーザーID機能をサーバー側に持たせてデバイス間の紐付けをする必要があります。
Googleアナリティクスの場合は、GoogleのログインIDでマルチデバイス解析が可能です。
他にも、ソーシャルログインによるマルチデバイス解析もあります。
ここ数年でLINEやTwitter、InstagramなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が普及しました。このSNSアカウントを利用してユーザー登録などの手間を省き、SNS以外のウェブサイトでも会員登録やログインできるのがソーシャルログインです。

データの外部連携

複数のチャネルで取得したアンケート結果やアクセスログなどの外部データを顧客情報と連携させます。連携させた外部データは、アクセス解析ツールでより詳しくユーザーを分析することに役立て、結果的に事業成果を上げることにつながるのです。

SSL対応について

SSLとは、インターネット上で送受信を暗号化する仕組み(プロトコル)のこと。
SSL対応のウェブサイトは暗号化されているため、情報のやりとりも保護されて(守られて)いて安全です。
一方で、SSL非対応のウェブサイトの場合は暗号化されていないため、情報のやりとりも漏えいしやすくなります。ウェブサイトのユーザーにとっては、情報が保護されていないままデータを送信するのは不安であまり利用したいとは思いません。
SSL対応されていないと、Googleの検索結果に影響してきます。
この理由としては、以前も紹介した「Google 10の事実」にそぐわないからです。
そのためSSL非対応は、SEO的にデメリットが多いのです。

AMPとは何か

AMP(Accelerated Mobile Pages)とは
AMPとは、Googleが中心となって立ち上げたもので、モバイルのウェブサイトページが高速で表示されるしくみ。
ウェブサイトにAMP対応用の記述をすることで、AMP対応の表示が出るのです。
AMPが対応されていると、いち早く表示されるため、ユーザーが見やすいウェブサイトとなります。

タグマネージャーとは

ウェブマーケティングを進めると、Googleアナリティクスだけではなく、広告に関連するタグ(情報の分類)、他アクセス解析ツールのタグを管理する必要が出てきます。
タグを個別にウェブページへインストールする場合は管理が複雑になるため、タグマネージャーを利用してタグを一括管理します。

ファネルの考え方でアクセス解析を極める

ファネルとは

ファネルとは、マーケテイングをする上で見込み客を漏斗型(ファネル型)に絞り込むやり方のこと。
ウェブ解析のコンテンツ構造のファネル設計は、通常のファネル設計と違い、コンバージョン(最終的な目標)に至る過程をユーザー行動パターンから考えます。

コンテンツ構造ファネル4つの役割

コンテンツにはマーケティングの観点から、役割が4つあります。

  1. ランディングページ
    ランディング(着陸)の言葉通り、ユーザーが最初に閲覧するページ。
    キャンペーンなどで専用のランディングページを作成することがあり、その際にランディング専用ではないページをユーザーが閲覧する可能性もあります。
    ランディングページを測定する指標は、直帰率。
    直帰率が高いランディングページは、ユーザーに次のページを閲覧してもらえず、機会を逃している状態であると言えます。
  2. 回遊ページ
    ユーザーが2ページ目以降として閲覧するページ。
    一般に、商品ページや会社情報ページ、自社ブログページなどのコンテンツが回遊ページとして機能することが多いです。
    回遊ページを測定する指標は、離脱率になります。
  3. フォームページ
    コンバージョンにつながるフォームがあるページ。
    フォームページとは、ショッピングカートページやお客様情報入力ページのことです。
    フォームページの成果を測定する指標は、フォーム離脱率です。
    フォームページまで到達したものの、コンバージョンにならなかったページには、フォームに何らかの問題があると判断できます。理由としては、クレジットカード決済が非対応や入力方法が難しいなどが挙げられます。
  4. コンバージョンページ
    フォームページ後に表示され、コンバージョンになったページ。
    具体的に、商品購入後の「お買い上げありがとうございます」と表示されるサンクスページなどのことです。

下の図がコンテンツ構造ファネルです。

順番にセッション数やページビュー数が少なくなります。
それぞれに複数のページが含まれているため、測定方法や指標は異なってくるのです。
コンバージョン数を増やすには、各コンテンツページの構造を改善する必要があります。

明日からアクセス解析を実践!

ここまで、アクセス解析を実践するためにデータ取得の仕組みや知識、ファネルの考え方など詳しく説明しました。
アクセスを実践するために大切なことは、ユーザーをのことを考えた見やすい安心して閲覧できるウェブページに作り変えることです。
そうすれば「事業成果」を上げられます。