アクセス解析を始めるために

毎日投稿している「初めて学ぶウェブ解析」第15回です。
前回の第14回では、オーガニックサーチ解析についてまとめました。
今回は、ウェブ解析で必要となる「アクセス解析」について詳しく解説します!
アクセス解析は、ユーザーの興味や関心を知ることで「事業成果」を上げることへつながるためとても大切なのです。

アクセス解析のツールについて知ろう

アクセス解析には、サイト解析が利用されます。
ウェブサイト上の「いつ/誰が/どこのページを」閲覧したかを分析し解析します。
分析と解析の違い

  • 分析とは、データをさまざまな要素に分類して明らかにすること
  • 解析とは、分析のデータで何をするのか具体的な指標を出すこと

アクセス解析ツールとは

アクセス解析ツールには、下の3つの方式があります。

サーバーログ方式【サーバーインストール方式】

サーバーログ方式とは、サーバーのログデータをインストールして解析。
サーバー側に蓄積する生ログを分析します。
生ログとは、サーバーのアクセス情報を記録したもの。

パケットキャプチャ方式【パケットスニッフィング方式】

パケットキャプチャ方式は、インターネットのキャプチャを解析。
回線側がインターネット通信回線に流れるデータ量を分析します。
パケットとは、ウェブサーバーとユーザーの間を流れるデータのこと。

ウェブビーコン方式

ウェブビーコン方式は、ページのHTMLファイルにトラッキングコードを挿入してアクセスを解析。
端末(クライアント)側がウェブサイトのトラッキングコードをインストールして、サイトにアクセスすると自動的に送られるサーバーの信号を分析します。
ちなみにGoogleアナリティクスは、ウェブビーコン方式です。

アクセス解析ツールの組織や個人認識方法

IPアドレスとは

IPアドレスとは、インターネットに接続された機器がもつ識別番号のこと。
いうならば、インターネット上の住所。
それぞれのインターネットで異なるIPアドレスは、ウェブ解析でさまざまな場面に利用されます。
特定のユーザーを解析対象から除外したい場合に、そのユーザーのIPアドレスを入力すれば自動的に除外させることもできます。
グローバルIPアドレス
全世界でユニークな(重複することのない)アドレスのこと。
企業ごとに取得していたり、ISPに依存していて取得していない企業もあります。
たとえば株式会社トヨタデジタルクルーズIPアドレスは、「153.150.21.168」です。
このIPアドレスは公開されているため、ISPと結び付けることでどの企業なのかわかります。
これによって、グローバルIPアドレスをもつ企業が「いつ/何に興味を持っているか」などを知り、解析することができるのです。
ISP
ISPとは、インターネットサービス・プロバイダーのこと。
PCやサーバーなどのさまざまなデバイスを接続するときに窓口になります。
インターネットを利用するには、このプロバイダーと契約する必要があります。
グローバルIPアドレスを持っていない企業は、ISPのアドレスが適用されるのです。
グローバルIPアドレスのISPは、地域ごとにIPアドレスがあるため、どこの場所から利用しているかを知れます。
ローカルIPアドレス【プライベートIPアドレス】
ルーターで割り振られた内線用のIPアドレスのこと。
組織内(社内や家庭内など)で同じネットワークを利用するときに識別番号
ルータ―とは、コンピュータネットワークで2つ以上の異なるデータをネットワーク同士と中継させるための通信機器のこと。
接続機器ごとにプライベートIPアドレスを自動的に割り振ります。
いうならば、マンションの部屋番号がIPアドレスでルーターが管理人。

Cookieについて

Cookie(クッキー)とは
Cookieとは、ウェブサイトのアクセス記録をブラウザ上に残す(保存しておく)もの。
いうならば、ウェブサイト上の会員証。
このCookieを用いているのが、Googleアナリティクスなどです。
Cookieは、ユーザー1人ひとりにあるので個人を識別し、情報を残してあります。
Cookieを利用することで、ユーザーの過去データ(訪問日時や回数など)を取得できます。そのため、ユーザーがどのような情報を必要としているかなどを知れます。
そこから、ユーザーに合わせたより適切な情報を提供できるのです。
Cookieには下の2種類があり、どこのドメインが発行しているか分類できます。

  1. ファーストパーティCookie
    ファーストパーティCookieとは、ウェブサイト上でユーザーが閲覧リクエストを送信したドメインから直接発行されるCookieのこと。
    ファーストパーティCookieは、ユーザーが閲覧リクエストを送信したドメインのデータしか取得できないため、複数のドメインを経由したウェブサイトではお互いのCookieの情報を取得できないのです。
    ファーストパーティCookieはユーザーにブロックされにくいのがメリットです。
    そのため、より精度の高いトラッキングや効果測定が可能になります。
    トラッキングとは、ウェブサイト上のユーザー行動を追跡するシステム。
  2. サードパーティcookie
    サードパーティcookieとは、ユーザーが閲覧リクエストを送信したページとは異なったドメイン(第三者)から発行されるCookieのこと。
    サードパーティcookieはファーストパーティCookieと異なり、複数のドメインを経由しているウェブサイトでも簡単に1つの閲覧行動として認識され、データを取得できます。

Cookieは、ユーザー側でウェブブラウザやセキュリティツールの情報を制限できます。
ここ最近、ユーザーがあらかじめウェブブラウザの設定でCookieをOFFにしていることも多くなっています。
他にも、Cookieにはユーザーが簡単に削除や加工できる欠点があるため、信頼性に欠けます。
関係者の除外
解析範囲の設定が完了したら、まずやるべきことは関係者の除外です。
解析の精度を高めるために、関係者(自社や運営会社、その他協力を仰ぐ企業)からのアクセスを除外します。
除外するには、IPアドレスやCookie、プラグインなどを利用して行う方法があります。

アクセス解析ツールで大切なことは

アクセス解析ツールで大切なことは、データの取得方法と仕組みを理解し、ユーザーを知ることです。
結果的に、「事業成果」を上げることにつながります。