ウェブ解析でリードジェネレーションの事業計画立案
ここ最近で、リードジェネレーションやインサイドセールスといったキーワードがトレンドになり、耳にすることが増えてきました。
このコンテンツは「ウェブ解析でリードジェネレーションの事業計画立案」を実行する上での進め方や注意点についてお伝えいたします。
- 初めてウェブ解析を学ぶ方
- リードジェネレーションについて詳しく知りたい方
- 事業計画立案について知りたい方
このような方々に向けたコンテンツとなっていますので、少しでも参考になれば幸いです。
ただし、業態や事業のフェーズによって対応ステップは異なるため、実現に向けた1つのヒントとしてご覧ください。
リードジェネレーションとは
リードジェネレーション(Lead Generation)
→「見込み客(リード)」を「増やす(ジェネレーション)」マーケティングのこと
(例)展示会 / セミナー
潜在顧客が顕在化されることで、商談や受注(成約)に繋がります。[受注=売上]
- 展示会 (参加者と名刺交換 → 電話/メールで連絡)
- セミナー(参加者の情報 → 電話/メールで連絡)
ウェブサイト上で、不特定多数に対してマーケティングするのではなく、自社に関心があるユーザーの情報を見込み客(リード)として獲得するモデルです。
ターゲットが見込み客(リード)のため、ウェブサイトのコンバージョンが売上に直結しづらいモデルとなっています。
リードジェネレーション 4つのステップ
まず、リードジェネレーションは、4つのステップに分けられます。
- 戦略立案組織/KPI/オペレーションの策定
- ソリューション選定
- 計画立案
- 実行
特に「戦略立案組織/KPI/オペレーションの策定・ソリューション選定・計画立案」の3ステップが重要となります。
次に、5つのユーザー行動に分けます。
認知 → 興味喚起 → 検討 → 信頼構築 → 購入
この5つのユーザー行動は、マーケティングファネル(漏斗型)3つの階層に分けることができます。

リードジェネレーションは、この階層ごとでユーザー(顧客)をサポートすることが重要となってきます。
リードジェネレーションの計算式
リードジェネレーションはウェブサイトのコンバージョンの先には商談と受注というステップがあります。
(「コンバージョン=売上」として計算した場合)
- 売上 =(客単価×受注率×商談率×コンバージョン数)
(客単価×受注率×商談率×コンバージョン率×セッション数)
- 受注率 =(受注数÷商談数)
- 商談率 =(商談数÷コンバージョン数)
ウェブ解析でリードジェネレーションの事業計画立案
イーコマース(電子商取引)の事業計画
→コンバージョン(最終的な目標)のみで終了する
リードジェネレーションの事業計画
→ウェブサイト上のコンバージョンに加え、商談・契約まで一連の流れが発生する
リードジェネレーションで大切なのは、ウェブサイトの見込み客(リード)です。
見込み客(リード)は購入までにリードタイム(時間が掛かる)があるため、必ず商品を購入もらえるとは限りません。
そのため、リードジェネレーションはユーザーのニーズに応えていくことが目標です。
ユーザのニーズに応えることで、ウェブサイトでコンバージョンにつながり、商談・受注へ進むことで事業成果が出しやすくなります。
リードジェネレーションのKPI
リードジェネレーションサイトモデルのKPI指標は次の9つです。
- CPC(Cost Per Click)=広告のクリック単価
- ホワイトペーパーダウンロード数
- メールアドレス
- 電話、FAX、郵送での問い合わせ数
- コンバージョン率
- CPA(Cost Per Acquisition)=広告投資額(費用対効果)
- 商談率
- 受注率
リードジェネレーションの活用ツール
リードジェネレーションをより具体的に計測するためのツールを2つご紹介いたします。
MA(マーケティングオートメーション)
MAとは
マーケティング自動化ツールのこと。
マーケティングの各プロセスでユーザ行動と自社対応を自動化・仕組化する。
リードジェネレーションの中で発生した見込み客(リード)に利用する。
- ホワイトペーパーダウンロードを促す
- メールマガジンでサイト再訪問を促す
- サイト訪問後の履歴を記録
ユーザのスコア(評価)があがるタイミングで準顕在化や顕在化へステップアップさせます。
ユーザとこちらの関係性が良くなっているということで、事業成果に向けてのステップとなります。
(例)セミナー
- 参加者へのお礼メール
- 見込み客への定期的な自社情報メール
従来は人の手で行っていたルーティーン業務や膨大な時間とコストがかかる複雑な作業を自動化することができます。
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
CRMとは
顧客管理ツールのこと。
MA(マーケティング活動の自動化)などで取得したユーザの情報を管理する。(顧客のステップアップなど)
CRMの発祥はアメリカで、BtoB(法人向けビジネス)などに利用されている。
インサイドセールス
最近では、MAやCRMなどを総称して、インサイドセールスツールと言われることがあります。
インサイドセールスとは
内勤型営業のこと。
おもに、電話/メールを使うことで自社の商品に興味を持った顧客に対して、関係性を構築する。
【メリット】
- 対面せずに電話やメールで相手へコンタクトを取れ、効率良くセールスを行える
- 次の商談の機会を逃がすことなく、ニーズが発生するタイミングを掴める
- コンタクトを定期的に取り続けることで、アプローチし続けることができる
リードジェネレーション事業計画の立て方
ウェブ解析では、受注に繋がる成約の高いコンバージョンを獲得するようなマーケティングを行う必要があります。
リードジェネレーションの場合、ウェブサイトを改善することでコンバージョン率やセッション数を向上することができます。
他にも、最終的な売上を伸ばすことも可能になってきます。
そのための効果的な施策として「回遊数を増やす」ことや「回遊離脱率を下げる」ことで、直帰率を減少させることです。
【直帰率】ウェブサイト訪問したユーザが1ページのみを閲覧して離脱する比率(%)
【回遊数】ウェブサイトに訪問したユーザが閲覧開始したページからから他ページ回遊する数(件)
【商談率】 コンバージョン後、商談に結びついた件数の比率(%)
具体的な改善案
売上を 10,000,000円 から 15,000,000円 にアップさせる改善案
現状 | 改善案 | |
オーガニックセッション | 6,400件 | 6,400件 |
リスティング広告 | 未実施 | 3,200件 |
コンバージョン率 | 1.25% | 1.25% |
コンバージョン数 | 80件 | 120件 |
商談率 | 25% | 25% |
商談数 | 20件 | 30件 |
受注率 | 50% | 50% |
受注数 | 10件 | 15件 |
客単価 | 1,000,000円 | 1,000,000円 |
売上 | 10,000,000円 | 15,000,000円 |
CPC | 100円 | 100円 |
〈目標を達成するための計算式〉
事業計画を立てるには、売上金額の目標から逆算します。
- 母数は 6,400件 から 9,600件 の増加で、売上が 15,000,000円 になるという仮説に基づいています。
- ここでの施策は 9,600件 の不足分である 3,200件 をリスティング広告のセッションで補います。
売上金額の目標 15,000,000円 から逆算して必要となるトータルセッション数 9,600件
オーガニックセッションが変わらない場合
→リスティング広告に必要なセッション数 3,200件
リスティング広告を利用する場合(CPC=100円)
→リスティング広告に必要な費用 320,000円
- 必要な受注数は、売上目標(15,000,000円)を客単価で割る
15,000,000円÷10,000,000円=15件 - 必要な商談数は、必要受注数を受注率(50%)で割る
15件÷50%=30件 - 必要なコンバージョン数は、商談数を商談率で割る
30件÷25%=120件 - 必要なセッション数は、コンバージョン数をコンバージョン率で割る
120件÷1.25%=9,600件 - 自然流入は6,400件なので、必要セッション数に足りてない数が必要ペイドサーチセッション数となる
9,600件-6,400件=3,200件 - リスティング広告は1クリックあたり100円なので、必要ペイドサーチ数に掛けることで広告費用を算出できる
3,200件×100=320,000円
リードジェネレーション事業計画で大切なことは
リードジェネレーションの事業計画は、ウェブサイトのコンバージョン、商談、契約までの一連の流れがあった後に売上へと繋がります。
リードジェネレーションの事業計画で大切なことは、ターゲットである見込み客の獲得。
そのためのスキルとして、コンテンツの提供はもちろんのことインサイドセールスの電話で関係を築いたりするなどセールスの鉄則である「聞き上手」になることで自社に必要なユーザー情報を入手し、商談まで進めます。
受注まで持って来られたら受注率を上げられるよう、顧客のニーズに応えていきましょう!