ウェブ解析に大切な数字・指標のお話

毎日投稿している「初めて学ぶウェブ解析」3回目です。
記事では何度も書いている通り、ウェブ解析の目的は「事業成果を挙げること」です。
ウェブ解析には、理解しておくべきことが2つあります。
1つ目はアクセス解析を可能にしているインターネット技術の基礎について、2つ目はウェブ解析の基本的な用語や指標についてです。
今回は、ウェブ解析を学ぶ上で大切になってくるこの2つを中心に詳しくまとめます。

アクセス解析の仕組みを知ろう

ウェブサイト表示の仕組み

  • ユーザーからあるサイトを見たいとウェブブラウザーにURLを入力
  • そのサイトがあるウェブサーバーに見せてくださいというリクエストを出す
  • リクエストに対して何らかの反応がある
  • その結果がウェブブラウザーに表示される
  • このウェブサーバーとのやりとりがアクセスログへ自動的に記録される

ウェブブラウザー

Google Chrome,Microsoft Edge,Safariなどのウェブサイトを閲覧するソフトウェアのこと

リクエスト

ユーザーからウェブブラウザーにURL入力してサイトのウェブサーバーにアクセスすること

アクセスログ

ウェブサーバーとのやりとりを自動的に記録したファイルのこと
(パソコンやスマートフォンに関わらず、全てのウェブブラウザーに記録される)

アクセス解析のローデータ

Q.ローデータ(アクセスログファイル)とは?
A.解析ツールなどで加工されていない状態のこと
1回のアクセスでアクセスされた順に情報が記録される
もともとはサーバーの負荷やシステムエラーがあったときに原因を確認するためのもの

  • IPアドレス(どの場所から)
  • アクセス日時(いつ)
  • リクエスト(どのページを)
  • ステータスコード(表示されたか)
  • リファラー(どのURLから)
  • ユーザーエージェント(どのブラウザで)

ログフォーマットの種類について

Q.ログフォーマットとは?
A.アクセスログの情報の種類・順序などの書式のことで、主に下の2種類がある

  1. Common Log Format
  2. Combined Log Format(最近のアクセスログにはこちらが使用されている)
Q.ステータスコードとは?
A.リクエストに対して、ウェブサーバーがレスポンスを返したときのレスポンス状況を表現した3桁の数字からなるコード
Q.クローラーとは?
A.Webサイトや画像などインターネット上の情報を取得して、自動的に検索データベースを作成する巡回プログラム(検索エンジンの監視役)

ウェブ解析の4つの視点

本来はサーバーのシステム調査をするために使用されていたアクセス解析ですが、現在ではマーケティングのための解析に応用されています。多くのアクセス解析ツールでは、ログデータを解析しやすいように集計や絞り込みができるようになっています。そのための4つの視点です。アクセス解析のみならず、さまざまなウェブ解析ツールで使用されています。

ディメンション

データの項目(日付別やページ別、流入元別など属性を分類してデータの集計をする)
*流入元…どこからアクセスしたのか分析しやすく種類別にしたもの

メトリクス

データの指標
(ページビュー数や直帰率、滞在時間などの数値を状況判断・評価する)

フィルタ

データの選別
(原因探るために特定の条件に合うデータを含めたり除外して集計する)

セグメント

データの抽出(データとして記録されるユーザーの行動を特定の条件で絞り込む)
ほぼすべてのウェブ解析データは、この4つで整理できます。一見、複雑そうに見えるさまざまなデータもポイントを押さえるだけで分かりやすくなります。

ウェブ解析にある数字・指標

オウンドメディアに関する指標

Q.オウンドメディアとは?
A.自社で所有(Owned)しているメディアのこと。
例:ホームページ、ブログ、SNSアカウント
オウンドメディアの指標は、主に解析ツールを使用して調べます。

ページビュー数

ページの閲覧をカウントした数値

セッション数(訪問数、ビジット数、訪問回数ともいう)

ユーザーがウェブサイトにアクセスしてから閲覧、離脱するまでの一連の行動をカウントした数値

ユーザー数(訪問者数、ビジタ―数、ユニークユーザー数ともいう)

一定期間にウェブサイトを訪れたユーザーの数値

直帰数・直帰率(直帰は離脱に含まれる)

サイトの入り口となっている1つのページのみを見てサイトを離れた数値
サイト全体の直帰率(%)=(直帰数÷セッション数)×100
ページごとの直帰率(%)=(ページで直帰した数÷閲覧開始数)×100

離脱数・離脱率

ウェブサイト外へ移動して離脱、ブラウザを閉じてセッションが切れる行動数値
離脱数はページごとに判断される/離脱率はページビュー数ごとに計算する
離脱率(%)=(離脱したページビュー数÷ページビュー数)×100

平均ページ滞在時間・平均セッション時間

該当ページの平均滞在時間・サイト内に滞在した平均セッション時間

Q.滞在時間とは?
A.ユーザーがページやウェブサイトなどの計測対象を見ていた時間のこと

コンバージョン率(コンバージョンレート)

ウェブ全体のセッションのうちでコンバージョンを達成した割合
コンバージョン率(%)=(コンバージョン数÷セッション数)×100

Q.コンバージョンとは?
A.どれだけ売上があるかという、お問い合わせ件数のこと

セッション数とユーザー数の考え方

ユーザー数はウェブサイトにアクセスした人数ではなく、ウェブブラウザや端末ごとのカウントした数値のことです。間違いやすいため、要注意!
一方で、セッション数はリセットされる条件が「滞在時間が30分経過」「日付をまたぐ」「外部サイトの参照元」であるため、何回アクセスしてもカウントされます。

広告に関する指標

インプレッション数

広告効果測定でインターネット広告が表示された回数

Q.広告効果測定とは?
A.ユーザーの認知から購買までに広告投資は効果があったのかを測定すること

クリック数

バナーやリンクがクリックされた回数でセッションごとにカウントされる

広告費用

広告にかかった費用のこと

クリック率(CTR)

ウェブページ上に広告が表示された回数の中で広告がクリックされた割合
CTR(%)=(クリック数÷インプレッション数)×100

クリック単価(CPC)

広告の表示で得られるユーザー1回あたりのコスト
CPC(円)=広告掲載費用÷クリック数
*ホームページを見られたら、掲載している企業にお金がかかる

顧客獲得単価(CPA)

商品購入、会員登録などの利益に繋がる成果を1件獲得するのに費やすコスト
CPA(円)=広告掲載費用÷コンバージョン数
他にも、ソーシャルメディアのアカウントで指標を測定する「ソーシャルメディアに関する指標」や「ビジネスに関する指標」があります。

なぜ、ウェブ解析には数字・指標が大切なのか

ユーザー数はウェブサイトにアクセスした人数ではなく、ウェブブラウザや端末ごとのカウントした数値のことです。間違いやすいため、要注意!
一方で、セッション数はリセットされる条件が「滞在時間が30分経過」「日付をまたぐ」「外部サイトの参照元」であるため、何回アクセスしてもカウントされます。
データを解析しても結果を読み間違えてしまうことで大きな損失に繋がってしまうかもしれないため、ウェブ解析を行うにあたって数字の変化、指標の値がそれぞれどのような状態であるかを理解することはとても重要です。
私と一緒に、インターネット技術の基礎と基本的な用語や指標について正しく解析できるようになりましょう!
このコンテンツはハマ企画の新入社員が毎日会社で学んでいるウェブ解析。
ウェブ解析士協会の公式テキストに基づいて学んだこをとアウトプットしているコンテンツです。