業績回復の方法は埋もれている人材にあり

ホームページのアドバイスや、コンサルティング、解析などの業務をしていく中で…
なぜか「ホームページをリニューアルしたい!」と考える経営者さんって、どんな状況でそう思うのだろうか?
と考えることがあります。
私が思いつたことの一つは「会社の経営状況が悪くなってきたので、
業績回復を図るための改革としてホームページをリニューアルする」

というものでした。
本当にそういう経営者さんが多いかは分かりませんが…
今回はその仮説を、もう少し考えてみたいと思います。

V字回復の経営

まず私の頭によぎったのは、1冊の本でした。
三枝匡「V字回復の経営」です。
■V字回復の経営 | 日本経済新聞出版社
https://www.nikkeibook.com/book/78651
読んだのは何年も前なので、内容の細かい部分については忘れてしまったのですが…
今でも印象に残っている部分を自分の言葉でご紹介します。

業績回復のためには多くの社員に会って、真に優秀な人物を探す

業績の傾いた会社を立て直すために…
その立て直しを実行できる人物が不可欠です。
本の中では、とある関連会社の要職に就いていた人物が改革リーダーとして選ばれます。
そこからがポイントです。
業績を回復するためには、改革が必要です。
赤字が大きければ大きいほど、古い体質が根強ければ根強いほど、大きな改革となります。
それを一人でやりきることは出来ません。チームが必要です。

業績回復のためのチーム選抜

そのチームを選抜するために、多くの社員と面談をしていくのです。
確かに、業績の悪い会社ではある。
しかし、その逆境の中でも踏ん張って会社を支えていた人物、冷静に状況を判断しながら、
次の一手を考えている人物。
そんな優秀な社員がいるはずなのです。
それを見つけるためには、直接、自分の目で会って、自分の言葉で尋ねてみるしか方法はありません。

カルロス・ゴーン社長も多くの社員と面談した

余談ですが…
日産を立て直したカルロス・ゴーン社長も、多くの社員と面談したという話があります。
下のリンク先の記事では「1,000人」との記述がありました。

■「CEOが後継者を決めてはダメだ」日産ゴーン氏|出世ナビ|NIKKEI STYLE
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO04974050Y6A710C1000000?channel=DF180320167078

業績回復する方法は「力」を持った改革チームを結成すること

なぜ「改革チーム」を作る必要があるのでしょうか?
いまの経営陣が意識を新たにし、改革に乗り出す…のではダメなのでしょうか?
そうです。
ダメなんですね。
いまの経営陣は、会社のことが分かっているようで分かっていないのです。
赤字の原因はどこなのか? 
どの部署に原因があるのか?
ひっ迫した危機感を感じていない。
さらには…多すぎる会議。
多すぎるプロジェクト。
船頭多くしては船も山に登ってしまいます。
そこで少数精鋭。
真に優秀な社員たちで構成されたチームが
「圧倒的なスピード感」と「有無を言わせない権限」を持って
立ち向かい、断固たる決意と意思で、改革を断行していくしかありません。
瀕死の会社を救うためには…
この荒療治しかないのです。
業績回復した改革チームが、新たな経営幹部になる

業績回復した改革チームが、新たな経営幹部になる

真に優秀な人物で結成された改革チームが動き出すと…必ず立ちはだかる障害があります。
古株の社員です。
ベテラン社員と言えば聞こえはいいかもしれません。
しかし、業績悪化した会社にいてもなお、変わろうとしなかった人たちです。
罪は軽くありません。
本の中では、そうした改革に反対する管理者たちに対して、主人公が厳しく批判するシーンがあります。
改革に向けた会議の中で、根拠のない文句を言って来た管理者を「会議室から出て行け」と容赦なく排斥します。
改革に、反対はつきものです。
しかし、そうしたノイズにいちいち付き合っていては、業績回復はなしえません。
そうした反対派をにも有無を言わさずに「どいてもらう」ことも、業績回復の方法なのです。

改革チームがそのまま新しい会社を牽引する管理者に

そして、改革を達成したチームは、当然のことながら熱い絆が生まれます。
それはそうです。
会社を良くしよう!
復活させよう!
という気概を持って集まったメンバーです。
しかも、改革リーダーが自ら、一人一人と面談してスカウトした優秀な社員たちなのです。
部署も、年齢も、社歴も、もしかしたら性別もそれぞれバラバラかもしれません。
であれば。
改革が成功した暁には、そのメンバーたちが、それぞれ「部署を引っ張る新しいリーダー」として
能力を発揮してくれるでしょう。
業績を回復させたメンバーがそのまま、今度は新しい会社を引っ張る管理者として働いてくれるのです。
会社にとって良いことなのは疑う余地がありません。

業績回復する方法は「力」を持った改革チームを結成すること

    力とは…

  • 真に優秀であること
  • 改革を断行するスピード
  • 反対派を排除する決定権を持たせること
  • です。

私がこの本から何を学んだか?
それは、「人に尽きる」ということです。
会社は人の集まりです。
その会社が瀕死の重傷になった時…
必要なのは新しいサービスでも、新しい商品でも、コストカットでもなく
会社を立て直す「人」を見つけ出すことが出来るかどうかです。

業績回復の方法に悩む経営者へのおまけ

この本を読むと「愚直」という言葉がたくさん登場します。
おかげで私の好きな言葉にもなりました。
が、同時にあまり軽々しく口にしてよい言葉ではない、とも思っています。
それはどうしてか?
気になる人はこの重厚な経営ストーリーをご一読ください。
個人的には池井戸潤の小説「下町ロケット」が好きな人にはおすすめ出来るのではないかな?
という感想です。
そして、もちろん
業績回復の方法に悩む経営者さんは言わずもがなです。
読んでみてください。
そして、社内をじっくりと見渡してみいましょう。
きっと、あなたがまだ気づいていない…しかし、真に会社のことを想ってひたむきに努力している社員さんがいるはずです。