展示会で業績回復した事例

企業の展示会イベント、社会人として働いていても接点がない人はたくさんいることでしょう。
有名な会場としては、東京ビッグサイトや幕張メッセといったところでしょうか。
なぜ企業は、このインターネット全盛の時代に、安くない出展料金を払ってまで、こぞって展示会イベントに参加するのでしょうか?

展示会で販路が広がる

インターネット、テレビ、SNS、雑誌…自社をPRして知ってもらう媒体は沢山あります。
交通広告や、新聞広告もありますね。
自社の商品やサービスを知ってもらうために、ニュースリリースを沢山配信したり、電話営業に取り組んでいる会社も少なくないでしょう。
しかし、商品の実物に触れてもらう、感じてもらう。
こればっかりは、実際に体験してもらわなければ、伝わらないものです。
重さ、軽さ、匂い、香り、手触り、肌触り、食感、体感…
視覚に訴えるだけでしたら、画面や紙面だけでも伝わるかもしれませんが…
五感に訴えるためには、実際に商品に触れてもらうしかありません。
商品の本当の魅力が伝わらないのです。

地方の会社の商品を実感してもらえない

展示会に出展する会社は、「何か」の製造会社(メーカー)が多いかもしれません。
自分たちの技術、特許、アイディアで作った新商品をお披露目するのに、展示会は格好の大舞台です。
東京や大阪といった都心部にある会社であれば、自社のショールームや、イベント会場を使って、商品の体験会などを開催できるかもしれません。
しかし、地方の会社はどうでしょう?
新商品を地元で展示しても、それを見に来てくれる人たちが大勢いなければ、意味がありません。
それも、卸売業や販売代理店などといった、「取引相手」となりうるような会社の人達に沢山見に来てほしいのです。
もちろん、地方でも展示会自体はあります。
しかしながら…例えば福岡県、大阪府といった地域であっても、東京での展示会と比べると開催規模には隔たりがあるのです。

その点を考えると、やはり東京という場所は特別な意味を持ってきます。
東京ビッグサイトにてイベントを主催していた事務局で働いていたことがあるため、展示会についてはある程度の経験があるのですが…
出展者募集のご案内をしていても「へぇ~、東京でやるの?」と、開催地が東京であるか、それ以外の地域なのかで、大きく反応が違っていたことを覚えています。
東京の展示会…とりわけ東京ビッグサイトで開催されるイベントは…
東京は人が多い → 来場者が多い → 出展者も多い → 大企業・有名企業も多い → 取引先候補も多い → 注目度も高い → 出展者も多い → 可能性も多い
という理由で、人気・影響力がとても高い展示会イベントになっているのです。

展示会で業績回復

地方の会社が、自慢の商品を地方で展示しても、意味が薄くなってしまいます。
やはり、人、会社が多いエリアでの展示会に参加するからこそ、注目度も高くなり、それだけ可能性が広がるのです。
浅野撚糸株式会社という会社を紹介していたテレビ番組がありました。
岐阜県にある会社で、社長が出演されてインタビューを受けていたのですが…
「エアーかおる」という新しい、自信作のタオルを開発した時のエピソードが紹介されていました。
■浅野撚糸株式会社
http://www.asanen.co.jp/
今でこそ、累計販売枚数なんと600万枚超というヒット商品なのですが…
最初は売れなかったそうです。
付近のホテルや旅館を片っ端から、ものすごい数の営業をこなした体験談が印象的でした。
そんな中で、東京ビッグサイトの展示会に出そう、このまま営業を続けていてもしんどいだろう、という趣旨の意見をもらい、3年連続で東京ビッグサイトのイベントに出展したそうです。
そこで初めて、超一流企業との契約に結びついたのだとか。
まさに、展示会で業績回復したわけですね。

展示会で販路が広がれば業績回復につながる

展示会に出展することで、販路が広がる可能性を得て、業績の回復につながる道があるのは事実です。
ただし、ただ出展すればいいわけではありません。
出展ブースの中で、来場者にPRすることが重要です。
何が良いのか? 何が違うのか? 誰に良いのか? …そういったことを丁寧に、わかりやすく、限られた時間で伝えなければいけません。
いや、伝わるように行動しなければならないのです。
そのためには、口下手であるとか、人見知りであるとか、性質性格…
そんなことを言っているヒマはありません。
高い出展料も支払いますしね。
しかし、あなたの会社に、あなたに、「そこに懸けるだけの情熱」があれば、自ずと業績回復の道も手繰り寄せることができると思います。