家業を継ぐことが、逃げることだと負い目を感じる人へ

家業を継ぐことが、逃げることだと負い目を感じる人へ


この記事の所要時間: 435

最近、家業を継いで脚光を浴びている社長さんの話をよく見聞きするようになりました。

有名なところでは…

  • 株式会社中川政七商店の中川淳社長(※2018年6月14日現在:代表取締役会長)
  • 株式会社星野リゾートの星野佳路社長
  • 愛知ドビー株式会社の土方邦裕社長と土方智晴副社長

などでしょうか。

会社の業績を伸ばして注目されている様子や、インタビューの記事などを拝見すると…
格好良く、華々しい印象ばかりを持ってしまいますが…
まさかそれだけの訳がありません。

ご活躍の陰には、きっとものすごい苦労や努力が潜んでいるはずです。
常人では想像も絶する内容かもしれません。

一方で、勤めている会社を退職して家業を継ぐ…
という岐路に立つ人の中には「私は逃げているのではないのか?」と思いつめてしまう人もいるようです。

家業を継ぐことは逃げることではない

「家業を継ぐこと」=「逃げること」とはならないと思います。
これは、私がそうした人物との接点があったから言えることです。
最初は興味津々で話を聞いていたのですが…
次第に「それは悲惨だなぁ」という感想を抱いてしまうまでになりました。

会社員でも家業を継いでも大変

会社員として働いていた男性が、ある日、退職して家業をお父さんから継ぎました。
いわゆる承継ですね。

たしかに、その男性は会社員時代に苦労されている様子でした。
残業も多く、取引先の数もたくさん抱えていたため…
中には、烈火のごとくお叱りを受ける羽目になってしまうお客さまもいたそうです。
また、小さな会社とは言え職場の空気も決して「良いもの」とは言えない状況だったとか。

確かに、この部分だけに注目して「去った」という事実だけを取り上げてしまうと…
逃げた」と揶揄してしまう人もいるかもしれませんね。

ところが。

家業を継いだら更に大変だった

この家業を継いだ男性、いざ父親の会社に入って驚いたそうです。
どうやら…経理系の処理がおざなりだったそうで、しばらくの間はその対応に追われる羽目になってしまったのだとか。

経理系の数字がきちんとしていなければ、自分の会社が本当はどういう姿をしているのかも分かりません。
話に聞いた限りでは、掛け金なども把握できていない状況だったそうで…
当初は利益を出しているのか赤字なのかも不明だったとか。

折しも、景気は決して良いとはいえない時代。
受注数も下降気味で、さらには従業員が辞めてしまっても、すぐに雇用してスタッフを補充することもうまく出来なかったと聞きます。

男性は管理だけでなく、業務の実作業から配送まで全てを手伝いながら…
会社を立て直すという難題をこなすしかありませんでした。

忙しさは毎日がピークで、残業時間は会社員時代と比べるべくもないほどに膨れ上がり…
休日というものはいっさい無くなったそうです。

これでも「家業を継ぐこと」=「逃げること」と言えるでしょうか。
とてもそうは思えません。

よろしければ「家業 継ぐ」というキーワードでインターネットを検索してみてください。
家業について困難に直面している人々の、様々な不安や悩みが垣間見えます。

家業を継いで大変でも逃げない理由

家業を継いで、いざフタを開けてみたら…
とんでもない有様になっていた。

満足な睡眠時間も確保できず、経営者である自分は休日らしい休日も取得できない。
それでも、疲れているはずの体で毎日働けるのはなぜなのか?
普通なら…
あ~あ、こんなことなら会社員を続けていればよかった
先にこうなると分かっていたら、家業なんて継がなかった
つい口をついて、そうこぼしてしまいそうです。

ところが。
そう思うことは(あまり)ないとのことでした。
なぜか。
訊いてみたことがあります。

家業を継いでも逃げないのは自分で決めたから

それは「自分で決めているから
残業することも、業務を手伝うことも、お客さんのところへ配送することも、休日を返上して働くことも、そもそも家業を継ぐと決断したことも…
すべて「自分で決めて動いている」ことだからです。

会社員時代はそうでなかった。
上司に言われるがまま…
お客さんに要望されるがまま…
動くことしかできなかったのです。

例え「おかしいな」「違うんじゃないかな」と感じることがあったとしても
自分の意思を表に出すことは出来なかったのではないでしょうか。

それを思えば…
むしろ会社員時代の方が不自由で、家業を継いだ今の方が自由。

気持ちが全然違う、と言うのです。

新しい挑戦

家業を継ぐことは逃げることではない

繰り返しになりますが、「家業を継ぐこと」=「逃げること」とはならないと思います。

確かに、「今いる職場」からは逃げることになるかもしれません。
しかし逃げることの何がいけないのでしょうか?
生きるために、自分をダメにしてしまわない為の逃げはアリだと思います。

そして「家業を継ぐ」こと。
「楽して儲かっていて困っちゃうよ」という会社なんて、そうそう無いと思いませんか。
家業とは言え、新しい職場、新しい仕事なのです。

それはきっと逃げではなく「新しい挑戦」としか呼べないのではないでしょうか。

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